まこっちゃんの後ろを歩く私を他人(ヒト)はよく二度見する。なんせ『あの』花宮真が女を連れて歩いているのだ。それだけで騒がしくなるのは、なんとなく頷ける。だがしかし、これは付き合っているとか恋人同士だとか、そんな甘っちょろい関係ではない。愛し愛され、ずっこんばっこんな関係なのだ。一度それを友達の前で口に出したことがあるが、彼女たちの引きつった笑みは今も記憶に新しいのなんのって。「あのなぁ、お前ぇはいつまでそうやってくっついてくんだよ」怪訝そうに此方を見下ろすまこっちゃんに「いつまでも」と笑顔で返す。憎たらしいとオーラが出ている彼をスルーし、またとてとてと彼の後ろを歩く。「まこっちゃん、まこっちゃん」「んだよ」「好きー」「…知ってる」「顔赤いよ」「んなことねーよ」ちゃきちゃき歩くまこっちゃんのスピードが少しばかりあがる。「あ、待ってよ」「待ってって言われて待つバカがどこにいんだよ」「ここにいる!…ああ、もう!まこっちゃんってば!」ちゃきちゃき、とてとて。必死に追いかけていると、ぽすんっと彼の背中に頭一個分小さな私のおでこがあたる。「んもう!名前は急に止まれないんですよ」「…っ…たんだよ」「なーにー?」「待ってやったって言ってんだろ、くそが」ずんずんずん。耳まで赤くしたまこっちゃんはあっという間に部室へ消えていってしまいました、ちゃんちゃん。って…。「先に行っちゃったら待ってくれてた意味無いじゃん」くすくすと私が笑った声が聞こえたのか、バンと大きな音を立てながら部室から出てきたまこっちゃんに拉致られたお話は、また次回。


(私はそんなまこっちゃんも大っ好きー)


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10000hits・花宮くん
120707
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テーマ「人外ファンタジー」
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