(ラジオにて/色々捏造注意)

「なんかなー、ライブのあとテンション上がっちゃったんだよな」
「そうそう! んでな、ホテル帰ってからもテンションそのまんまでさ」
「まあライブの後だから着替えたくって、服とか全部脱いじゃってスタッフさんとこに持ってってなー」
「あ、オレら洗い物とかスタッフさんの部屋に持ってくんですよ」
「まー、俺ら開放的になってな」
「お前と青峰だけな」
「いや、そんでな、部屋の前に帰ってくるじゃん? オレと火神がパンイチでスキップしながらだぜ?」
「それだけでも恐ろしい光景なんだけどさ、パンイチで気付いたわけよ。部屋の鍵がねえの。で、隣の青峰見るとコイツも鍵無くて」
「なんかそれもおかしくなってきて二人で爆笑しちゃってな」
「今聞いても酷いな、その光景」
「いざ冷静になっても服は階の違うスタッフさんの部屋に預けちゃったから、取りに行くのも恥ずかしくなってな」
「そこをテツがふら〜っと通りかかってな」
「あの日の光景は忘れませんよ…二人がパンイチで笑ったり、顔を青くしたりしてて。ライブ後のテンションも冷めましたよ」
「いや、もうホントにお前らみんなインキーしろ!」

* * *

「あ…、僕ですね、犬飼ってるんですよ。犬さんって呼んでたんですけど、僕に似てるから二号って名前になりまして。すっごく可愛いんですよ」

「犬さんじゃねぇよ!馬鹿じゃねえの?!…って話してたけどさ、実際ラジオのマイク前に来ると緊張すんな」
「うん、テッちゃん実際すごいわ」
「まじまじ。何も喋れねえもん」
「じゃあ今日は僕がラジオの先輩…、パイセンということで」

* * *

「んじゃ初めてだし、自己紹介でもしとこうぜ。テツから」
「はい。ギターボーカルやってます。好きな食べ物はバニラシェ…じゃないですね。名前いわなきゃですね」
「じゃあ改めて。ギターボーカルやってます、黒子テツヤです。好きな食べ物はバニラシェイクです」
「じゃあオレか。ドラムの火神です。好きな食べ物はチーズバーガー!」
「ベースの高尾です。好きな食べ物は…キムチです」
「ギターの青峰大輝です。好きな食べ物はてりやきバーガー」
「「「「………」」」」
「なんか青峰くんの声だけ浮きましたね」
「さすがラジオだね」

* * *

「あのですね、物忘れをさ」
「それだけは本当に伝えたいな」
「言いましょう」
「時間も大丈夫だろ」
「それなら、 はい!この間… あ、ベースの高尾です。えっと俺が伝えます」
「はい、高尾くん」
「この間スタジオで、僕たち毎回ライブ前になると演奏技術を上げるために合宿するんですけど、」
「恒例行事だよな」
「その時に、全部終わったあと、夜!「あるぇ?携帯がねえ」って焦って言ってるやつがいまして」
「いましたねえ」
「そんなこともあったなあ」
「まあドラムの火神くんのことなんですけど。ドラムセットの周りをくるくるまわりながら、ないない!っていうんみんなで部屋中探し回ってもなくって。位置情報で大我の携帯を探すとすげえ遠いところにあって。結果、そこまで歩いて行ってもなかったんですけど。で、最終的にあったのが…――」
「あーーー! その節はだな」
「火神うっせ!」
「高尾くん、続けてください」
「携帯が見つかったのが、彼のドラムセットのすぐ側だったんですよ。人騒がせなやつですよね。だからドラムの周りは片付けろと」
「その節に関してはオレが全面的に悪かったと思っている。今でも深く反省している。だからこれ以上掘り下げるのは」
「あ、僕もひとついいですか?」
「ほい、テツ」
「北海道から帰るときだったんですけど、あの、飛行機に乗る前に保安検査場通るじゃないですか。その時、ポケットに手を突っ込んだ火神くんがすっごく驚いた顔して、僕に「やべえ…ホテルの鍵持ってきた」って」
「あーーあーーー!!やめてくれぇ…もう、オレの話はやめてくれぇ…」

(120213)
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