これの続編





明日また会えるから、また笑い合えるから。淡く切ない希望だけを抱いて、今日も学校へ向かう。ねぇ、黄瀬。あの子とは上手く行ってますか・・・?

「あ、名前おそいッス!」

ちょっと前までは私よりも遅く来るのが黄瀬だったのに、今では早く来るのが当たり前のようだ。(少しだけ、ほんの少しだけど距離を感じた。)

「私がフツーなんです。こう、毎日早いと彼女の愛を感じますねー。」

これでもか!って程憎まれ口を叩くと、黄瀬は予想外にも顔を歪ませた。(え?何よ・・・)

「彼女と終わっちゃうかもー・・・。   ナンチャッテ。」

ちょっと待ってよ、ねぇ。あの時の幸せが零れ落ちるくらいの笑顔は何処?そんな笑顔、見たくないよ。ねぇ、黄瀬ってば・・・。

「冗談は止めてよー・・・。」
「冗談なんかじゃないし。」

真っ直ぐに私の目を見て『冗談にしたいんスけど、』と言った。(やだ、泣きそうだ)

「大丈夫だよ、黄瀬。」
「は?」
「うん、大丈夫・・・。ゴメン、ちょっとトイレ ―・・・。」
「あ、お、おう・・・。」

届かないからずっと想ってるの。だから、口に出さないの。伝えないの。この想いに終わりなんてないから。

「っ・・・、」


だけど、苦しいから。吐き出さないと、いけない気がする。だけど、止まらない気がするの。

「名前?」
「あお、みね・・・?」
「何、泣いてんだよ。黄瀬関係?」
「も、嫌だ・・・」

青峰は何も言わずに私の手を引き、屋上へと足を走らせた。屋上に着くと、私をゆっくりと包み込み『全部吐いたら?』と言った。(なんでこんなにも欲しい事を、欲しい言葉を、青峰は知ってるんだろう)

「黄瀬が、きせが、が好き・・・!」
「うん。」
「叶わな、い、なん、て知って、るけど・・・」
「うん。」
「苦し、けど・・・、仕方な、もん。」
「うん。」
「助けてよ・・・、あ、おみね・・・。」
「うん。」



−ねぇ、この苦しみから開放してよ。−
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