「敦…」
「ん〜?」
「おも、い…」


自室のベッドに寝転んでいた、ただそれだけ。雑誌を広げ、今度はこの服を買おうかな?なんて考えている間に眠ってしまっていたらしい。息苦しさに目を覚ますと、目の前には笑顔の敦。そして冒頭の会話に戻る。



「とり、あえず…ど、いて…」
「えー、俺そんなに重くないでしょー?」
「嘘つけ!つぶれる!!!」


とにかくどいてよ、そう目で訴えれば「はいはい」と、敦は渋々私の上から動き、どかっと部屋のソファに座った。(部屋の主は私で間違ってないのに)


「その服買うの?」
「は?ふく…。あー…たぶん」


ふーん、そっ。訊いておいてその態度かよ、と言いたくなるような敦の態度。その服というのは私が広げっぱなしだったページの服。秋まで着れそうなデザインで、デートにばっちりなんて雑誌編集者のお墨付きのワンピースである。(デート、か)先ほどよりもなおさらツンケンしだした敦にちょっと不安を覚えつつ、「何か飲む?」と問いかけると「ココア」との返答。(ここは素直なんだ)


「その服さ、」
「んー?」
「室ちんとのデートで着るの?」
「んなわけないじゃん。氷室先輩と付き合ってないんだし」
「そっか。じゃあ、俺と付き合う?」


面倒なはおすきですか?
(ふ、ふざけないで!)(じゃあちゅーする?)(ばっ…!!)
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