ねぇ、どうして家にいるんですか?
眉を顰めながら君が聞くから、少しだけ怯みながら『寂しかったから』と答えてあげると顰めた眉をピクリと反応させて溜め息を吐いた。(お家に来たことちょっぴり後悔)
「ねぇ、名前。もうちょっと時間帯とか考えなかった?」
「だって」
「だってじゃないです」
ちゃんとテツ君のお母さんに了解取ったよ?
私がそう抗議すると、はぁとまた溜め息を吐きながらソファに座り『そういうことじゃないです』とだけ答えた。テツ君が心配していることが分からないでもない。(そこまで天然ちゃんじゃないもの)でもそんなに心配するような距離でも、今日はそんな時間帯でもない。制服の上着を脱いだテツ君は自分の隣をポンポンと叩き、私を隣に座るよう促した。それに従い座ると、じっと目を見られて逸らすに逸らせない状態になった。
「な、なに?」
「名前さんは…、僕が… なんでもない」
「僕が?」
「…黄瀬くんとかつれてきたらどうするつもりだったんですか?」
「どうもしないよ?」
あー、違います。
一度顔を逸らし唸ると、もう一度こっちを見て一言、言った。
「もし、そんな状況になったら僕がどうにかなる」
(あぁ、なんてあなたは可愛いの)
「…ばーか」
「馬鹿とはなんですか」
「嬉しいんだよ、ばーか」