※黒→→→→赤←←←←主です。キャラ崩壊してます。赤司くんの一人称が俺でキセキを名前呼びです。


ドタドタドタドタ…、キィーーーーッ

体育館中に響いた二人分の足音とブレーキ音。あまりの騒音に誰しもが入り口を見やれば、黄瀬はだらしなく顔を緩め、ほか一同は眉を顰め、溜息を吐いた。とんでも無い騒音を起こした本人たちは周りの視線は露知らず、一直線に彼らの主将の元へ足を進めた。

「赤司くん赤司くん!」「征くん征くん!」
「二人同時に喋るな、寄るな、暑苦しい」
「あああああ、その蔑んだ目!たまりません!ほら、名前さん写真ですよ!」
「ばっちり高画質が誇りの○Ph○neで撮っていますとも!ああ、征くん!こっちに視線頂戴!」
「それにしても新しい髪型、グッジョブです、gjです、赤司くんぺろぺろ」
「長い前髪に雲隠れしていた征くんの円らな瞳ぃいい!ああああん、もっと睨んで!」

いわゆる赤司廃とでも言うのだろうか。タオルで汗を拭う緑間は考える。彼らがあんなにも主将を慕う理由は知らない…、否、知りたくもないのだが、毎回こうだと主将の心労が。顔面蒼白、とまではいかないが、少し青く染まった顔に心中お察ししますと誰もが思っただろう。

「はあ赤司くんいつになったら僕とデートしてくれるんですかえっ放課後ヤッタ!!!!!!」
「息継ぎをしろ、何処で区切ったらいいかわからないだろう。そしてデートはしないと何度も」
「そうだよ、テツくん。征くんは私とデートするんだから」
「お前ともしない」

さながら飼い主にじゃれつく飼い犬2匹。ピシャリと拒否られた彼らに垂れた耳としょげたしっぽが見えた部員がいたという。さらに彼女にいたっては幻覚ではなく、本物の涙を目に溜めているから質が悪い。

「名前っちも黒子っちも、赤司っちの代わりに俺がデートするっスよ」
「「黙れ黄色いの」」
「なんで?!」
「ったく、おら、テツ。放課後はストリートでワンオンワンやるんじゃなかったのかよ」
「青峰くん、その約束は反故です。なぜなら僕の赤司くんが僕のためにイメージチェンジをしたから」
「俺、テツヤのじゃないけど?!」
「名字、今日のお前の運勢は最悪だ。赤司の射手座とも相性が悪いのだよ。だから出掛けるのはよせ」
「うるさいなあ…真太郎くんは。私が信じてるのは征くんの言葉なんですー」

赤司の腰に巻き付く彼女と、首元に巻き付く彼。そんな3人を見て、1人、紫原は思う。

(ちびっこ3人じゃれあって、めっちゃ可愛いんだけど)

優に2メートルを超える彼の身長からすれば、女子の平均ほどしかない名前はもちろん、男子の平均ほどしかない赤司と黒子も小さい部類に入るのだ。まいう棒をむさぼりつつ、そんな彼らに歩みを進める。

「赤司くんぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺr」
「や、やめるんだテツヤ…」
「征くん征くん。わたし、征くんにならぺろぺろされても…いいよ?」
「顔を赤らめるな、ちかっ、おまっ、鎖骨っ」
「俺が3人まとめてもらっちゃうんだしー」

未だにもつれ合う彼らを紫原のロングスパンが捉える。むぎゅっと纏められた3人は口々に「暑い」「苦しい」「近い」など呟く。そんな光景を見せられ、黄瀬は涙し、他一同はまた溜息を吐く。そんないつものワンシーン。



「赤司くん、一つになりましょう」「嫌だ」「じゃあ私と子作り?」「しない」


(120729)
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