「おま!・・・、また勝手に部屋入ってきて・・・」
「ん〜?・・・、あ。帰ってきたんだ!」
「『帰ってきたんだ!』じゃないだろーが」


だってー、なんて口を尖らす名前。ったく、なんとも迷惑な幼馴染だ。・・・なんて思ってみても、結局は好きだなー、なんて考えてしまう。(もう末期だな、俺)


「にしても、お前さ・・・。俺が男って自覚無いだろ?」
「は?大我を女にみろってか?・・・・・・、無理ではないけど・・・。」
「んなこと言ってねーっての!」
「わかってるってー!」


けらけら笑って俺の肩を叩く名前。ったくかわいー・・・(とか思っちゃってんじゃねーよ、馬鹿か、俺!)にしても、今日のこいつは一段とお色気ムンムンだ。(黒子が聞いたら馬鹿にすんだろーなー)いいお年頃で、健全な俺にはちと刺激が強いわけで。俺以外の部屋でこんなこととか、こんな格好されたら・・・名前は明日立てないだろう・・・(考えたくもねーけどよ)
「ったく、お前はよー。男は狼っつーだろーが」
「知ってるよー?大我も?」
「んまぁ・・・それなりに・・・」
「この前教科書にまぎれてあったもんねー、オトコノコの絵本!」
「なっ・・・!(男の聖書!)」


きゃー!大我のエッチー!とかふざけて言ってる名前。つーか見つけたのかよ・・。(どーりでねぇと思った)こいつは人の部屋を漁るのが得意っつーか、趣味っつーか・・・(どっちにしろ友達には持っててほしくないのは確かだな)


「あのよぉ・・・。俺だって一応はさ・・・」
「ん?」
「そのうち俺にその絵本みたいにされてもしらねぇぞ?」
「・・・・・・、は?」
「(やっべ!)」
「・・・・別に大我ならいいよー・・・・・・・、なんて」


― へ? ―    自分でも驚くほどに間抜けな声が出た。俺と目が合うとくすっと笑い、冗談だよーと言った。

おいおい、それはきっつい冗談だことー・・・。だよなー・・と気が抜けた声で返事をし、へへっと苦笑いすれば、名前もへへへっと笑っていた。



―俺の想いは報われやしない―
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