senyu | ナノ







 幸福の王子は、人々にすべてを分け与えて
  しあわせだったのでしょうか。
 ひとりぼっちではなかった王子でしたが、
  それでも誰かと一緒に笑い合いたいと
   思わなかったのでしょうか。




 ひとりはつらいのです。寒いのです。
 神様になんてなりたくない。
 ボクはまだ生きていたい。
 ボクはボクとして生きていたい。
 他の何物でもない。
 ボクは、ボクだからここにいるんだ。


 誰か助けてください。
 そんな言葉を言えずにいたボクを、
 そうとはせず助けてくれたのはいつだって。
 いつだっていつだって、
 ただただ、ボクをボクとして見る、
 ボクをボク以外の何物とも思わない、
 ボクの大切な友達だったんだ。


 ほら。
 どうせお前はそんなことだって知らなかっただろう?








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