04:New party

 本部の中はたくさんの人間で溢れていた。
 その中にクルジの姿はないかと首を巡らしていると、人なつっこそうな笑みを浮かべた背の高い青年に話しかけられた。
「セシリアさんじゃないですか?」
「え? 君たちは……」
「やっぱりそうだ! お久しぶりです」
 二人の青年は満面の笑みを湛えて挨拶をした。
「ヘリオードの件では本当に世話になりました!」
「みんな、元気にやってるぜ。あんたも無事、逃げ延びたんだな」
 かつての騎士は、もう厳つい鎧を付けておらず、薄汚れた服を着てほがらかに笑っている。他のギルドと混じって、すっかり馴染んでいた。あのときは住民を逃がすのに精一杯で、正直騎士の顔までは覚えていなかったセシリアは、ヘリオードと言われてようやく二人があの場にいたことを知った。
 長身で、栗色の髪を短く刈り込んだ方はリオ、やや背が小さく、肩まで延びた赤毛をくくっている方はハリスと改めて名乗った。
「馬車に乗ってから、ひたすら西に向かって進んだんです」
「途中、泥濘にはまったりして、決して楽な道じゃなかったが」
「一度騎士に追いつかれましたが、俺たちで撃退して」
「魔物に襲われそうになったところを、ギルドに助けられたんだ」
「そうだったの」
 代わる代わるにことの顛末を説明する二人に、セシリアは相槌を打った。それで避難民たちはどうしているのか訊ねようとしたところ、本部の奥から名前を呼ばれた。
「セシリア! 来てたのか」
 クルジだった。言いながら、足早にこちらへやってくる。
「詳しい話を聞かせてもらえますか」
「ああ。ところで、あんたたちは知り合いなのか」
 クルジは元騎士とセシリアを見比べた。
「ええ、ちょっと」
「ならちょうどいいか。もしあんたが護衛ギルドに入ってくれるってんなら、この二人のいる一団を任そう」
「彼らの?」
 セシリアは目を丸くして二人を見た。二人の方も話が見えず、なんのことかとセシリアを見返した。
「構成員は他に五人いる。うち三人が元傭兵団だ。あとの二人は新米で、まあ役に立たん」
 クルジはセシリアの返事を待たずに話し続ける。
「頼みたい仕事は薬草ギルドのカルボクラムまでの護衛だ。あそこに近頃盗賊が住み着いていて、被害も出ていてな。頼めるかね?」
「掟は?」
「ない。代わりに守ってもらうことは一つ。依頼人を必ず守れ、だ」
「……それだけ?」
「今のところはな」
「わかったわ。誓います」
「頼んだぞ」
 クルジはセシリア、リオ、ハリスを一人一人目で捉え、一つ頷く。立ち去ろうとして、思い出したように振り返った。
「盗賊の中には傭兵団のバルボスに近かった奴らの残党が混じってるらしいからな。気を付けろよ」
「はい」
 言いながらも、クルジは忙しそうに歩いて行ってしまった。その先で、大柄で屈強な男がクルジに声を掛ける。若いが、立ち居住まいだけでかなり腕が立つことを感じさせる。
「あの人は?」
「確かサイファスって言ったかな。傭兵団の首領候補ですよ」
 答えは期待せずに呟いたのだが、リオの方が物知り顔で答えた。
「でも、あの人は自分のギルドを持ってるんで、こっちをやる気はないらしいです」
「へえ」
 二人は話しながら外へ行ってしまった。本部の中は、彼ら以外にも出入りが激しく、皆忙しく奔走している。セシリアは改めて二人の仲間を見た。
「他のメンバーがどこにいるか知ってる?」
「俺連れてきますよ!」
 言うやいなや、リオはハリスを引っ張って本部を飛び出していった。矢のように飛んでいった背中を、セシリアは呆気にとられて見送った。

 *

 リオの瞬発力によってすぐに仲間は集められ、セシリアは早速依頼人と落ち合った。彼らはカルボクラムまでの護衛をセシリアに依頼した。
「ギルドの名前はなんにしますかね、首領!」
「待ってよ。私のギルドじゃないわ、リオ。首領もやめて」
 大きな体で跳ねるようにして訊ねたリオに笑いながら、セシリアは首を振った。初仕事に浮かれているのだ。
「だが、俺たちのリーダーには違いない」
 ハリスが真面目な顔で言う。
「ただのセシリアでいいわよ。ただし命令は聞いてもらうけどね」
「もちろんです、首領!」
 リオは拳を振り上げた。
「この槍で近づいてくる魔物は全部薙払っちゃいますよ! 安心してください、依頼人の人!」
 槍で地面を叩き、甲高い音を響かせて笑うリオに、依頼人は頼もしいような、複雑な表情を浮かべた。元傭兵団だという三人は、微妙に距離を取っている。まだ知り合って間もない。信頼関係は皆無といっていいだろう。だがその能力は信頼できる。残る新米の二人は、まだ十四五歳だ。どちらかというと戦力よりも依頼人の範疇に入れるべきだろう。
知り合いがいると、それだけで心強い。このメンバーでやっていくんだ、とセシリアは自分に確かめた。
 結界の外にいよいよ出るところまできて、ふと目を上げたときだ。魔物を模した鎧に身を包んだ集団がいた。
「クリント……」
 ひときわ体格のいい男を見つけて、セシリアは呟く。しかしその隣に立った金髪を見て、目を瞬いた。
「ハリー?」
 どうして彼が魔狩りと一緒にいるのか。
 彼らは旅支度をしていて、これから街を出るところらしい。当然魔物退治に行くのだろうが、そこにハリーがいる理由が、セシリアにはさっぱり思いつかなかった。

 *

 依頼人は、カルボクラムを少し中まで入りたいと言った。魔物だけでなく土砂崩れや瓦礫にも気を配りながら、一団は足を踏み入れた。セシリアは人の気配がないか、目を凝らす。人里からそう離れておらず、空き家ばかりのここは盗賊が住み着くのにもってこいに見えた。
 確かに、誰かがいるようだった。何者かがセシリアたちを見張っている。
「……首領」
 ハリスが声を殺してセシリアに耳打ちしたが、セシリアは知らない振りを、と目で指示した。
「なんだか不気味な場所ですねぇ」
 槍を肩に担ぎ、リオは崩れた家や斜面を眺めた。
 依頼人たちは薬草の生えている場所を見つけると、辺り構わずに採取に走る。薬草以外なにも見えていないようだ。魔物が潜んでいるかもしれない茂みにも、平気で頭を突っ込む。
「そこ、踏まないで!」
 セシリアが奥を探ろうと踏み出したとき、鋭い声音で制止された。セシリアにはどれが雑草でどれが薬草なのか見分けがつかない。その雑草とも薬草ともつかない草を、依頼人は大事そうに摘んでは背負ってきた籠に積められるだけ積んだ。護衛を雇っての遠出など、滅多にできるものではない。このときにできるだけ採取しておきたいという心の現れだった。
 セシリアはできるだけ彼らの邪魔をしないように用心しながら、外敵に対しても神経を尖らせた。
「もう、戻らないといけないわ」
 太陽の傾きを見ながら言ったが、足下にいる依頼人からの返事はない。何度か同じことを繰り返すと、ようやく聞き取れた依頼人はもう!? と声を上げた。
「暗くなる前に戻らなきゃ」
「でも、帰してくれますかね」
 リオがいつの間にか側にいて、にっと笑って見せた。
「力付くでも、帰るだろ」
 ある方向を見ながら、ハリスがさらりと言った。
 元傭兵団たちも、それとなく警戒している。新米と依頼人だけが、ふいに緊迫し始めた空気に狼狽えて、なんとはなしに互いに距離を縮めた。こちらが構えたのを受けて、向こうも行動を隠さなくなった。人いきれや草の音で、周りを囲まれたことがわかる。
 前方は茂みで袋小路だ。後方にある唯一の道へ体を向けると、そこに三人の男が立っていた。
「こんばんは。もしかしてここ、あなたたちの庭だったかしら?」
「……あんたの顔、見覚えがあるぜ」
 中央に立っていた男はセシリアの軽口に乗らず、口の端をつり上げた。左頬を縦に走った傷がひきつる。
「それから、お前らもな」
 男が顎をしゃくったのは、元傭兵団たちだった。彼らは男に睨まれて、怯んだように体を縮める。
「私の方は、覚えがないわよ。君みたいな男前、一度見たら忘れないと思うんだけど」
「はっ、お前が覚えてようがいまいがどうでもいい! だがこっちには恨みがある。首領を殺された恨みがなぁ!」
 おおお、と呼応して周囲から叫び声が上がった。
「その首領が殺されるとき、君たちはどこにいたの!?」
 負けずにセシリアは叫び返す。
「首領は俺たちのギルドを世界一にするために戦った! ドンの奴はそんな首領を疎みやがったんだ!」
「そうだ!」
 一斉に盗賊たちが賛同する。元傭兵団の生き残りが、ここに住み着いて盗賊になったのだ。さしずめ、その頭らしき男は盗賊の首領といったところだろう。
「それで、意地悪なドンを倒すために薄汚れた貴族と手を結んだのね。騎士団とギルドの共倒れを計画するとはさすが、世界一のギルドがすることは違うわ」
 セシリアの威勢を虚勢と捉えたのだろう。男は笑みを浮かべたままセシリアの皮肉を聞いた。
「ユニオンは腐ってやがる。誰もがドンを畏れて、なにもできねえ。いつまでも老害の爺が居座りやがって。ドンこそがギルドの癌なんだよ!」
「さながらバルボスは停滞したギルドの革命児? いいじゃない、勝手に貴族と仲良く新しい秩序とやらを作れば!」
「それをお前たちが台無しにしてくれたんだろうが!」
 音を立てて男は刀を抜き放った。それに倣って、盗賊たちも一斉に武器を構える。
「待ちなさい!」
 セシリアは武器に手を掛けず、盗賊と自分の仲間に叫んだ。リオは槍を振りおろしたまま、セシリアを振り返った。ハリスも訝しげに片眉を上げる。
「バルボスの仇なら私一人よ。依頼人と彼らは関係ない」
「へっ。軟弱野郎集団の薬草ギルドなんかどうでもいいんだよ。だが、お前らはクソ天を射る矢<アルトスク>に媚びて首繋いでもらったんろうが」
 男はぎらぎらした目を元傭兵団の仲間に向けた。
「よくもへらへらと、そこにいるなァ、お前等。え? 裏切り者が!」
「ユニオンを、ギルドを裏切ったのはそっちだろ!」
 元傭兵団の一人が指さして叫ぶと、二人もそうじゃないかと騒いだ。
「なんだと! 首領への恩も忘れてそういう態度取るたぁ、ずいぶん偉くなったもんだなァ!」
「今は私の仲間よ。ユニオンが受け入れた者を詰る権利は、君たちにはない!」
「うるせえ!」
「リオ、ハリス、皆をお願い!」
「首領、俺戦いますよ!」
 男のいらだちが爆発寸前まで高まってきたことを感じて、セシリアは剣の柄に手を添えながら二人を促した。リオは槍を振りあげたが、セシリアはバカ、と怒鳴った。
「依頼人を守ること! そう誓ったでしょう!」
「でも!」
「俺が依頼人を連れていく! リオは残してくれ」
「だめよ。これは命令」
 ハリスにぴしゃりと言って、セシリアは二人から盗賊の首領に視線を定めた。リオとハリスは一瞬目を合わせたが、取って返すと依頼人と新米をひとまとめに追い立てて、走り出した。
「君たちも行って」
 元傭兵団たちは戸惑って互いに顔を見合わせたが、周りの人数を考えると、慌ててリオたちを追いかけた。
「そいつらを逃がすな!」
 首領の一言で、盗賊たちが動き出した。セシリアは舌打ちして、首領に切りかかっていった。
「卑怯者!」
「天を射る矢を見逃せるか!」
「依頼人は関係ないでしょう!」
「あいつらは知らねえさ。帰ればいい。護衛なしで、自力で帰れるならなァ!」
「元傭兵団の言う台詞!?」
「はっはァ! 力のないものが食われるのは当たり前だろォ! 強い奴が弱い奴を食ってのし上がるのがこの世界だ!」
 力任せに振り下ろされた刀を受け止める。鍔に相手の刃を引っ掛けて抑えつける。ぎょろりと剥いた首領の白目が真っ赤に充血していた。牙を剥き出す獣のように醜悪な表情に嫌悪感が増し、落胆も覚えた。これが、五大ギルドが一、紅の傭兵団の成れの果てか。
「なるほど、バルボスが破れたのは自明の理ってわけね!」
「てめえ、よくも悪びれずにぬけぬけと……! その目がムカつくんだよッ!」
 首領は後ろへ重心を映しながら刀を引き抜くと、力一杯に振り下ろした。セシリアは受け止めきれずに地面を抉りながら後方へとずり下がる。仲間たちは盗賊に囲まれてしまっていた。
「よそ見してんじゃ……ッ」
 首領の声は激しい爆音にかき消された。爆風が前方から吹き付けて、セシリアは顔を庇いながら身を屈める。すぐに体勢を立て直しながら目を開けると、首領が立ち尽くしていた。ゆっくりと体が傾いで、前に倒れ掛かってきた。セシリアは急いで飛び退いて、男を避ける。
 その間にも、視界の横を、赤い炎の玉が飛び交っていく。盗賊たちは魔術に追い立てられて逃げだそうとしたが、あちこちから剣を持った男たちが現れて、盗賊を追い立てた。
依頼人たちを守って、リオとハリスも武器を振るっていた。その隣の魔術師が陣を描き、背を向けて走る盗賊めがけてファイヤーボールを放った。
 道を封鎖するように横一列に配置された四人の魔術師の中心にいるのは、サイファスだった。
「あ、熱い……っ、熱いっ」
 地面に倒れていた首領が、焼けただれた声で訴える。魔術を直撃された体は、もうあと数分も持たない。腕を痙攣させ、もがきながら、熱い、熱いと繰り返した。
 セシリアは剣を握りなおして、目を閉じる。
「今、楽にするわ」
 再び目を開けると、まっすぐに剣を振り下ろした。

***

「捕虜は盗賊21名。死亡者は首領含め5名だ」
「ふむ。ご苦労。すまなかったな」
「かまわん」
 サイファスは口を引き結んだままクルジに背を向けて、本部奥の部屋から出ていった。
「意外と多かったな……。まあ、こんなものか」
 顎を撫でながらクルジは一人呟いて、ソファに座っているセシリアへ目を向けた。
「あんたもご苦労だったね。仕事遂行お疲れ」
「囮役は依頼に含まれてなかったと思うけど」
 セシリアが笑いを滲ませて言うと、クルジはとぼけた顔をした。
「敵を騙すにはまず味方、と言うのだが」
「その言葉は知ってますけど」
「狙われる可能性は考えなかったかね」
 クルジは表情をあまり変えないため、何を考えているかわかりにくい。
「考えました。でも、あなたがそれを考えずに私にこの仕事を与えるとは思わなかったんで」
「そうかい」
 片眉をあげたのは、驚いた、という意味だろうか。少しだけ目が丸くなる。信頼してますから、とセシリアは投げるように言った。
「うん。まあ、あの盗賊だがね」
 クルジは机の上に目を落とし、額を掻きながら話した。
「ここのところ、ギルドと見ると襲ってきた。少数で風のように現れては風のように消える。なかなか尻尾が捕まらず、被害が増えるばかりだったのだ」
 なにせ首領が誰だかわからんからな、とつまらなそうに言う。
「狙うのはユニオン所属のギルドばかりだ。元傭兵団の連中の証言によれば、向こうも傭兵団の残党だと言う。おそらくドンに恨みを持つ奴らの、計画的な意趣返しだろうとは見当がついたんだがね」
「首領を引っ張り出すのに、私が最適だったと」
「まあ、そうだ。想像以上に、簡単に事が済んだよ」
「サイファスの手際が良かったですからね。助けられました」
「うん。それもある」
 クルジは頷いた。そして一息入れると、ぽつりと言った。
「すまなかったな」
「いいえ。私も、一つけじめをつけられましたから」
「そうか」
 セシリアは本心からそう答えた。今回の捕縛で、残党のほぼ全てを潰すことができた。これで、バルボスとの禍根を精算し終わったはずだ。セシリア自身だけでなく、共にバルボスを倒した彼らも、この件で悩まされることはなくなる。
 気分も晴れたところで、セシリアは話題を変えた。
「サイファスは、首領候補だとか?」
「ああ……。あんたも、頼んでくれないか」
「うんと言わないんでしょう?」
 うん、とクルジは困ったように肩を落とした。
「今のところ、他に候補がいないからな。引き受けてくれると助かるんだが」
 何度要請しても、サイファスは首を縦に振らないのだそうだ。堅く口を閉ざし、常に何かを睨んでいるような強面をセシリアは思い出す。彼を説得するのは難しそうだった。
「じゃ、また仕事が来たら連絡する」
「ええ。それじゃ」
 セシリアは静かに部屋のドアを閉めた。

 *

「首領! どういうことだったんですか!?」
 本部前の階段に座り込んでいたリオは、セシリアの姿を見つけると飛び上がった。ハリスもセシリアを見上げる。
「どっか落ち着いてから話そう」
 セシリアは二人を連れて、近くの酒場に足を運んだ。

「囮にするの黙ってるなんて、結構えげつないっすね!」
「それは、怒ってもいいんじゃないか」
 一通り話を聞いて、グラスを半分にした二人は、呆れて口を開けた。グラスを回して氷を鳴らしながら、セシリアは平然としていた。
「ちゃんと増援を付けてくれていたし。なんとなくわかっていたことだったから」
「わかってたんすか!? 俺本気で心配したんですよー!」
 ドンとテーブルを叩くリオを、セシリアはまあまあと窘める。
「そういうことは黙ってられては困るぜ。いざというとき、動く方向を間違えちまうじゃないか」
 ハリスも苦い顔をしてセシリアを責めた。依頼人を連れて逃げろと言ったときのことだろう。
「それは私も反省してる。依頼人を危険にさらしてしまったから。これからはきちんと話すわ」
「お願いしますよ。もう、首領を一人置いて逃げるなんてまっぴらですから」
「ああいうのは、気分が悪いんだぞ」
 そっくりの渋面を二つ並べられて、セシリアは思わず笑った。
 ぱん、とリオが手を叩く。
「ま、ゆっくりやってきましょうよ。俺たち、これからなんですから」
 そしてがらりと表情を変えて、セシリアの手をがしっと掴むとにっと笑った。
「よろしくお願いしますよ、首領!」
「だから首領じゃないってば」
「じゃあセシリア。誰にも負けない、強いギルドにしていきましょうぜ!」
 リオに倣って、ハリスも笑みを浮かべる。セシリアは二人に力を与えられたような気がして、満面の笑みで答えた。
「ええ、やろう!」
 三人はしっかりと、重ねた手に力を込めた。
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