どうしてこうなったのか。

さっきからそれだけが頭の中をぐるぐるしている。わからない、わからない。

「……えっと?」

何がしてェんだ、テメェ。
そんな言葉を込めた目線で目の前の奴、吏人を睨む。ぶれない吏人の目と合って、バチリと火花が散った気がした。
ロッカーを背に追い込まれたような形の自分に全く状況が掴めない。
練習後の部室。しんと静まりかえった学校。この空間には二人きり――佐治と吏人だけだ。

「………」
「……オイ」
「………」
「……なんなんだよ吏人。言いたいことあんならさっさと言え」
「…じゃあ、」

言ってもいいスか。

どこまでも俺様なこいつが念を入れるなんてことをするだろうか。
そのとき特に違和感も感じず、二つ返事をしたことを今更になって後悔する。吏人の口から紡がれた言葉は、予想した中のどれとも違ったからだ。

「…早く言えよ」

近い位置にある顔が、その唇が、微かに震えていたのにも気付かない。
あとから思えば、この状況はオレに逃げられないようにするためのものだったのだ。
そのときのオレが抱えるにはでかすぎた、こいつの気持ちを。



今からあなたに告白します

(突然「付き合って下さい」とは何事だ!)










―――――


こんな始まり方も有りだと思い、ます…


101107
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