さらり。
「…あ？」
「佐治さんの髪綺麗っスよね」
「そーか？」
「そーっス」
吏人はよくオレの髪を撫でる。抱きしめられているとき、キスしているとき、隣で寝ているとき…エトセトラエトセトラ。
最初は髪が綺麗だなんて、短髪が似合わないから伸ばしていただけのものなのに、そんなことはないと思ったが、どうにも本当らしい。少なくともコイツにとっては。
オレはオレで吏人の行動に慣れてしまい、今や慣れ過ぎてその掌も指も気持ち良いとか思うようになってしまった。全く以て末期だ。
……悪いことではないから良いとは思うが、ただ単に悔しい。
「佐治さん」
「なに」
「キスしたい」
「…いちいち言うなっての！」
「じゃあ」
「っ、」
あぁ、ほらまた。そんな手つきで触んな。くすぐったい。
一体自分はどんな顔で、態度で、こいつの目に映っているんだろうか。
降り続くキスを受け止めながら、ぼんやりとそんなことを考えた。
名前なんていらない
(恋、なんて悔しい)
―――――
ぶった切ってすみません…orz
続かない／(^^)＼
110304