縞の柄に赦しを請う
ストライプのクッションに顔をうずめて、響を見ないようにした。
きっと、泣いているんだろう。
見なくても、響の事なら何でも分かる。
誰よりも大切な僕の半身[おとうと]。
だからこそ僕らは抜け出さなくてはならない、二人だけの世界から。
ーーごめんね、響。
暫くすると響が立ち上がる気配がして、部屋から出て行ったのが分かった。
クッションから顔を離すと瞼を押しつけていた場所には、涙の跡。
これは、響の為に流した涙じゃない。
抱えたストライプを壁に投げつけて、今度は響の為に泣いた。
新しい世界へと歩み出す、弟の為に。
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