君のうしろ

席替えから三日目。
三上 駿介による、安西 直志観察日記。
その二。

昼食後すぐの体育の授業。
サッカー部の顧問でもある体育教師は、生徒達にサッカーに興味をもってもらおうと必死だ。

そんなわけで、授業はもちろんサッカー。
駿介は、耕一と適当にボールを蹴って遊んでいた。
真面目に試合をやっている安西を観察するためだ。

学校の授業で、ポジションなんかもいい加減で、全員好き勝手に動いている。

コートの中央で安西にパスが通った。
左足でボールをトラップして、軽やかにドリブルで駆けて行く。

かなり、上手い。

「あ!!おいっ、シュン!!ボール!!」

ボールを蹴るのを忘れて安西に見入っていたら、耕一に怒鳴られた。

「あ、ごめーん。こうちゃん、許してね」

「キモイわ!!余計許したくなくなる!!」

そんなやり取りが授業中何度かあった。


授業後、教室で着替えていた安西に何気無く話し掛ける。

「安西、サッカー上手いな」

「さっきの試合?んーまぁ、小学校の時やってたからな。そこまで上手くはないと思うけど」

「へぇ。中学の時は?」

「中学は、水泳やってた」

「なるほど、水泳か」

「何だよ、その顔。競泳用パンツがキモイは禁句だからな」

「あ?競泳用パンツ…………ぷっ」

「吹き出すなよ。だから中学で辞めたんだよ。水泳は。」

競泳用パンツでしばし盛り上がりを見せる会話。

どうりで肩幅広いし、筋肉質なはず。
意外とスポーツマンタイプ、かな?



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