はなのひ

八月六日

はれ


今、僕は恋人の家にいる。

しかも、裸でシーツにくるまっている。

どうしてかって?

昨日、あのあと彼の部屋に泊まったから。

一緒に花火が見られなかった分、いっぱい優しくしてもらって、いっぱい気持ちよくしてもらったんだ。


…ここまで言えば分かるでしょう?


窓の外はほんのり明るくて、寝室にも柔らかな曙光が降り注いでいる。

彼の眠る横顔も安らかに照らされて、僕はそれを目を細めて眺める。

その光景は昨日の夜ひとりで見上げた花火よりも、ずっとずっとキレイに思えた。


そうしているうちに、アラームが鳴り始めた。

けれど、彼は少しも目を覚ましそうにない。


疲れてるのかな?


でもこのまま寝かせていたら、仕事は完璧に遅刻しちゃう。

だから、起こしてあげないとね。



本当はずっとこの横顔を見つめていたいけれど。



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