花、愛でつ
それだけでもイってしまいそうになるくらい感じているのに、加島さんは躊躇いもなくローターのスイッチを入れた。
低い音とともに、蠢く体の内側で振動する大きめのローター。
「っ、ぁ!ゃ――ダメっ、ん、…かし、まさん、ァ…っ…止め、て、ぇ!」
「晴くんがそんなにいやらしい声をあげているのに、止めるわけがないだろう」
ローターの音が少し高くなる。
内側で、振動する速度があがったのが分かった。
「あ――っ、…い、や…ぁっ、ア、ん!…っぁ、…あ、ハ、…はァっ、っ…!」
こんな風に、オモチャで体を弄ばれて。
直接肌に触れられているわけではないのに、ビニール手袋越しの加島さんの温度にどうしようもなく反応してしまう。
「晴くん。仕上げだよ」
胎内にあるローターの細いコードを、加島さんの指がつまむ。
親指と人差し指の先の温度を内側に感じて、収縮が激しくなる。
その指が、ローターを抜き挿しするような動きをしたとなれば尚更。
「ァ、ん…!っ、や、…か、しまさんっ、ン、はっ―、―…だめ、ぇ、あっ…そ、んな――、っ動かさない、っ、で…!」
くちゅくちゅと小刻みに僕の内側をなぶる加島さんの指。
入り口に感じる指先と、奥と前立腺を直に揺さぶるとげと振動。
「気持ちいいだろう?晴くん、このままイってごらん」
ローターを抜き挿ししながら、もう一方の手で、今にも破裂してしまいそうな前を擦られる。
ビニール手袋のくしゅくしゅという音が、濡れた音と混ざって聞こえた。
「ん、ぁ―っ――いや、ぁ!…出、るっ…ぁ、ァっ…ん、はぁ…!かしま、さんっ、…あ、ぁっ…ァ、出るのぉ…、ャ、ぁ、ぁあっ――…っ!」
体の中が痺れたように痙攣して、僕は加島さんのビニール手袋をした手の中に、熱を放った。
いつか、加島さんは。
植物に、花に、触れる時のように。
慈しむような、指先で僕に触れてくれるだろうか。
その日がくるまで、僕は。
この温室に咲き誇る花々に、嫉妬し続けるのだろう。
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