花、愛でつ

断じて言うが、僕は決して。
オモチャで弄ばれるのが好きな変態ではない。

「晴くん。相変わらずキレイな肌だね」

加島さんのデスクに手をついて、腰を突き出す格好で立つ。

作業着のパンツと下着は加島さんの手によっておろされ、くしゃくしゃになって左足にある。

薄いビニール手袋をした手で、加島さんが僕の陰部に触れた。

「…、っ…ァ」

加島さんは僕の体に触れる時、必ず作業用のビニール手袋をする。

最初の頃に理由を聞いたら、人肌に直接触れるのが好きではないからだ、と素っ気ない答えが返ってきた。

僕はとても虚しい気持ちになったが、まさか言えるはずもない。




植物に、花に、触れる時のように。
慈しむような、指先で触れて欲しい。

なんて。




だって、そんな事を言ったらまるで、僕が――。

「ここも、キレイな色」

尻の割れ目を広げて、僕の後ろの窄まりに加島さんがローションを垂らす。

「っ!…ん、――ぁ…」

とろりとした冷たい感触に、全身が粟立った。

そして、次の行為に期待して、屹立した陰部から、じわりと先走りが溢れる。

後ろの蕾を押し広げて、加島さんの指が入ってくる。

「は、ァ…っ―――ん、っ!」

ビニール手袋越しの加島さんの体温を貪欲に求めるように、自分の胎内が収縮したのが分かった。

「…すごいね、晴くん。内側がヒクヒクして、絡みついてくる」

「ふ、…ャっ、―言わ、っ…ない、…っ、っ―で―」

笑い混じりの甘い声に、体温が上がる。



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