Triangle

どんなに想っても、先の見えない不毛の恋。

それが、不器用なわたし達の在り方。




わたしが昌志を好きな事。
それが、とても不毛だという事。
わたしは全部分かってる。
分かった上で、昌志が好き。
そんな自分を、わたしはとてもバカだと思う。

だけど、昌志はもっとバカ。

先生に、しかも、男に。
恋を、するなんて。


不毛も不毛。
不毛すぎる。
生産性、皆無。





「先生、あの。ちょっと質問があるんですけど…」

授業終わり。
教室から出ようとする二条『先生』をつかまえて、教科書を開く昌志。

勉強、嫌いなのにね。

好きな人の為なら、なんとやら。ってか。
健気だねえ、昌志。


頬杖をついて、頬を染める昌志と笑顔で質問に答える二条を見つめる。


『自分でも、よく分かんねー』


昌志から、二条への思いを告げられたあの日、わたしは。

のどまで出かかった言葉を、チョコレート菓子と一緒に飲み込んだ。


『わたしじゃ、ダメなの?』


目の前に、わたしがいるのに。
よりにもよって男を好きになるなんて。

失礼にも程があるわよ!!


だけど、でも。

振られたら、慰めてあげる。



なんて。

昌志が振られる事に期待してる、今の自分がすごく、嫌。


こんな風に考えてしまうわたしだから。
昌志はわたしを好きになってはくれないのかな?



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