MESS!!

「月生、お前…」

「ちーは?おれのこと、好き?」

整った顔を切なげに曇らせて、縋るような潤む瞳に、一瞬ほだされてしまう。

「好き、だけど…俺のは、」

月生の言う、好き、とは多分意味が違う。

続けようとしていた言葉はしかし、喉の奥に飲み込まれた。

月生が抱きついてきたのだ。
ぎゅっと、首に回した腕に力を込めて、俺の耳のうしろで月生は息をはく。

「よかったー…」

ぴたりとくっつけられた胸元から、月生の鼓動が伝わってくる。

早く、高く脈打つその鼓動に、さっきまで感じていた、月生の事が分からない、という思いが消えていく。

「月生」

名前を呼んで、月生の体に腕を回す。
ゆっくりと背中を撫で、そのまま月生の頭に手のひらをのせた。

「んっ、ちー…」

小さなため息と、俺の名前を呼ぶ声に、月生がどんな顔をしているのかが気になった。

ぐいっと月生の顔を俺と向かい合わせて、その表情を観察する。

「ちー、そんなに、…見ないで」

月生が今、何を考えているか、手に取るように分かる。
頬を赤らめ、目を細める月生を、今までとは違う意味で愛しいと思った。

耳まで、赤い。

その耳を中指と人差し指で挟んで、人差し指だけをゆっくりと動かす。

「あ…」

ピクリと月生の眉間が動いて、何とも言えない艶のある表情になる。

顔を近づけ、キスをする。

軽く音を立てて唇を離すと、月生からもキスが返ってきた。

軽いキスを繰り返しながら、再び体を密着させる。
月生の重みが増して、体のすべてを俺に預けているのだと分かった。

「ふ…っ、…ン、ぅ…」

キスを深めて舌を絡ませると、唇の隙間から月生の鼻にかかった声が漏れる。
俺は自分の持てる技術を総動員して、夢中で月生の湿った舌を吸った。

そのせいか、月生の下半身が反応しつつある。

腕に一層力を込めて、俺にしがみつきながら控えめに腰を揺らす月生。
布越しに密着した下半身がこすれる小さな振動に、俺も少しずつ反応していた。

「は…月生、腰、揺れてる」

「んっ、…ごめ、ん」

「謝らなくていい。…触っていい?」

「…っ!ぅん、ちーに、触られたい…」

はぁはぁと乱れた呼吸の合間にしっかりと意志を述べる月生。



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