好きな仕草
ダリスの視線の先には、シフェルーの細い指先。
結っていないとかなりの長さのブロンドを、慣れた手つきで櫛削る。
両手を後ろに回して器用に三つ編みをはじめて、途中からは身体の正面で編む。
あっという間に三つ編みの尻尾を編み上げて、仕上げには白いリボン。
リボンを結んでにっこりと笑うと、シフェルーはダリスが自分を見つめているのに気が付いた。
「なに?ダリス」
「いや、別に」
「別に、でそんなにじーっと人の顔見ないでしょ」
見蕩れていた、とは言葉にできないダリスだった。
『不器用だからね』
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