ここじゃヤダ

[心と唇 その後]


口づけを繰り返していると、ダリスの手がローブの中に侵入してきた。

シフェルーは慌ててダリスの手を咎める。

「ちょ、ちょっ!ダリス、待って」

「何だ」

「ど、ど、どこ触ってんの!」

「駄目か」

「ダメじゃないけど…」

眉を下げて不満そうにするダリスに一瞬ほだされそうになるが、首を振って気を持ち直した。

「…けど!ここじゃヤダ」

「何で」

「…だって。ここでしたら、仕事中に思い出しちゃいそうだもん…」

もじもじとローブの裾をいじるシフェルーに、ダリスは思う。

「(可愛いじゃねえか、ちくしょう…)」





『ダリスは手が早い』



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