Sunny Days

朝、起きた時に愛しい人が隣にいればそれ以上幸せなことはない。

それは…その人と自分の想いとが通じ合っていれば、の話。


****


まだ部屋の中が薄暗い時間に目が覚めた。

ベッドサイド、自分の右側にあるサイドテーブルに手を伸ばし目覚まし時計を見ると、時刻は6時30分。

アラームをセットしていた訳でもないのに、いつもの時間に起きてしまう体内時計が少し恨めしい。

今日は土曜日で、仕事も休みだからいつもよりゆっくりと、せめてあと1時間は寝ていたかった。

正確すぎる自分の体内時計にふぅっと小さなため息をひとつ。

時計をテーブルに戻し、ちらりと左に目をやる。


見なければ良かった、と思った。


そこには、桃色の頬をした子どもが幸せそうな顔をして、すぅすぅと寝息をたてていた。

彼の名前は、竹中 直[タケナカ ナオ]。

子ども、というのは正確ではないかも知れない。

この春、つい3ヶ月程前に小学6年生になった。

…小学6年生、12歳という年齢はまだ子どもだろうか?

いや、俺が子どもに恋愛感情なんて…ましてや性的欲求なんて抱くわけがない。

直と俺が赤の他人だったら、俺はとっくに直を襲っている。

赤の他人だったらどんなに良かっただろう。

横で寝息をたてる直に、抱いてしまった邪な思い。

それに対して感じる罪の意識などまだ軽くで済んだかも知れない。


俺の名前は、竹中 尚哉[タケナカ ヒサヤ]。

隣に寝ている直は姉の子ども、つまり実の甥。

なぜ、直が俺の隣で寝ているのか、というか一緒に暮らしているのか。

言ってしまえば、簡単。

『複雑な家庭の事情』だ。

そのせいで、直は5ヶ月程前から俺と一緒に暮らしている。

同じベッドで寝ている理由もその事情に由来する。



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