Sunny Days
直の買い物を終えて、食料品や日用品を買い帰宅すると、時計は2時を回っていた。
ふたりともかなり腹が空いていたので、すぐに昼食を用意した。
外食しても良かったが、直も俺もあまり外で食べるのは好きではない。
だから、自然と腹を空かせたまま家に帰ってくる結果になってしまった。
焼き魚にごはん、腹が空きすぎて汁物を作る時間が惜しかった為、インスタントの味噌汁。
他愛もない会話を交しながら、遅い昼食の一時を堪能する。
直の満足そうな顔が見れて、俺も小さな幸せに浸っていた。
そんな小さな幸せを壊すかのように、俺の携帯が電子音と共に振動する。
会社>>>>>>着信中
出ない訳にはいかない。
食卓から席を外して、電話に出た。
その電話で俺の休日は終わりを告げた。
会社でトラブルが発生したらしい。
すぐに、家を出なければならなかった。
直に事情を話し、玄関に向かう。
いつもはスーツで出勤するのだが、今日はさっき出かけた格好のまま直に見送られる。
「ごめんな。バタバタさせて」
靴を履きながら、後ろにいる直に話しかける。
「うぅん。大丈夫。僕のことは気にしないで、仕事してきてね」
笑顔で答える直を抱きしめたい衝動に駆られるが何とか押し留めて、
「いってきます」
とだけ言った。
「いってらっしゃい」
直の顔をもう一度見つめて、足取り重く家を出る。
気にするな、とは無理な話だ。
たとえ笑顔で見送られても、直のことを考えずにはいられない。
そんなことを頭に巡らせながら、休日で込み合う道路を車で飛ばした。
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