Rainy Days

ふと、目を開けて腕の中から直のぬくもりが消えていたので、咄嗟に顔を上げる。

「…、直。そんなところで何してるんだ?」

ベッドのすぐ横、窓の傍らに佇む直の姿を見取り、安堵して俺も窓へ歩み寄った。

薄いシャツ一枚で外を見つめる直を、毛布を持って後ろからくるんだ。

「わ、ぁ…!」

一瞬驚いた声をあげるがすぐに笑って、促されるまま体を預けてくる。

俺はというと背後から直に口づけながら、その重みをしっかりと抱きしめた。


「何、してたんだ?」

「明日は晴れるかなあ、と思って」

今度は明確な答えがあった。



窓の向こうでは、暗く淀んだ雲が重なって陽の光を遮り、小さな銀の粒を落としている。



「天気予報、見るか?」

この空模様ならば望みは薄いが、もしかしたらということもある。

しかし、直は

「ううん。いいの」

と、一言だけ言って、首を振り向かせて俺の頬にキスをしてきた。


何故、と問うことはしない。


「晴れたら、どこか出かけようか?」

「うん!でも、雨だったら?」

「雨だったら、こうして…」

毛布にくるんだ直の体を抱き上げて、再びベッドに移動する。

くすくすと、直は身をよじって笑う。

「分かった。こうやって一日中ベッドの上にいるんだね?」

言葉と同時に、見たこともない挑発的な笑みをたたえる直。

そうして、首の後ろに回ってきた腕に誘われるように、キスを落とした。





明日が、雨でも。
晴れでも、構わない。


俺も、直も。
すでに知っているのだから。


やまない雨は、ないのだと。



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