Sunny Days
いつもより遅めだか、休日にしては早すぎる朝食を軽く済ませる。
朝食後しばらくはテレビを見たり、今日の予定を話したりしてゆっくりしたあと、掃除や洗濯に取りかかった。
布団も干したかったが、雲っていたので諦めた。
明日の天気に期待しよう。
直が手伝ってくれたので、家事はあっという間に終わった。
それから出かける準備をして、10時過ぎには車で家を出た。
出かけた目的は直の夏物の服と学用品などを買いに行く為。
朝食のあと話し合った結果決まった今日の予定だった。
冬に俺の部屋に引っ越してきた直の衣類は、当然に長袖が多い。
そのため大量に夏服を買わなければならないので、直が遠慮することを予想し、あまり高くない衣料品店に連れて行った。
ふたりで値段とテザインを時間の許す限り吟味してTシャツを数枚とパンツを3本買い、次の店へと車を走らせる。
その車内、助手席にちょこんと座った直が小さな声で
「ごめんね」
と、言った。
その謝罪の意味を理解した俺は、何も言わずに左手で直の頭を撫でて運転を続ける。
『僕なんかの為に、お金を使わせてごめんね』
そんな遠慮をする必要はない、俺が望んでやっていることだ、と言って直の気持ちが晴れるならそれでいい。
けれど直は、自分が謝ったことで益々俺に気を使わせてそんな風に言わせてしまった、と思うだろう。
だからあえて言葉にはせず、手のひらの温度で伝えた。
直は複雑な表情をしていた。
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