Cloudy Sky

直の瞳が、少し嬉しそうに揺らいだ。

「なお……少し、動いてもいいか?」

問えば、恥ずかしそうに腕に力を込めながらも、

「ンっ…ぃぃ、ょ…」

と、頷いてくれた。
直の体に負担をかけないようにゆっくりと、腰を揺らす。

「ぁ、ん…、…はァ…っ」

絡み付く襞をふりきって引き抜き、熱い胎内に誘われるまま最奥を目指す。


激しく腰を揺らすまでもなかった。

直の熱く絡みついてくる胎内が、穏やかな動きでも充分に高みへと引き上げてくれる。

俺と直が交わる音と、甘く、艶やかな声がその手助けになった。

くちゅっ……ずっ……

「ァ、ゃ…は、ぁン…あっ…ぁっ…」

「…っ…く」

達してしまいそうになるのを堪えて、直のペニスを指で包みこむ。

「ぁ!!…ァ、あ…ひ、ひさや、さぁ、ん…」

腰の動きに合わせて、指を上下に動かし刺激する。

「はっ…ぁあ…ッ、ん、ゃ、…ふ…っ、…あ、ァ――っ…!!」

快感に涙を流し、のどを震わせる直の胎内は、激しく収縮し絶頂を促した。

「ッ…!!」

達する寸前に中から引き抜き、痙攣する直の腹に白い欲望を吐き出した。




直の横に顔を埋めて、しばらく互いの乱れた呼吸を聞いていた。







呼吸を整え、体を拭く。
直は力が入らず、俺にされるがままになっていた。


体をキレイにして服を着ると、直はすぐに寝息をたて始めた。
始めての行為に、疲れてしまったのだろう。

少し、いや、かなり無理をさせてしまったと思う。


けれど、後悔はしていない。


穏やかな寝顔と、温かなぬくもりが、変わらずここにあるから。


しばらくぶりの晴れやかな心持ちで、いつの間にか眠りについていた。



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