Cloudy Sky
少しずつ、少しずつ、指の動きを大きくしていき、指を増やす。
容易ではなかったが、ゆっくりと時間をかけて、直の中に三本の指を挿れることができた。
指を動かすたびに、くちゅくちゅと卑猥な音がする。
それに耐えられないのか、直は手で顔を覆っていた。
「…ぁ!!…んっ……は…ァ、」
はぁはぁと乱れた呼吸と、鼻にかかった甘い声が交わって、今や明らかに嬌声と呼べる物に変わっている直の吐息。
けれど、分かっている。
別に指が入っているのが気持ちいいわけではないはずだ。
俺の指が、自分の中に入っている、という状況に、羞恥にも似た快感を見い出しているのだろう。
「ぁ…っ…ん、ン……っ!!」
指を引き抜いて、後孔に硬く屹立したペニスを押しあてる。
直が、息を飲んだ。
顔を覆っていた手を退けて、俺の顔を見つめる。
「ひさ、やさ、ん…?」
苦しそうに息をする口に顔を近づけて、そっと鼻先に唇をおとす。
「大丈夫だから。ゆっくり、息、して…」
諭すように語りかけて、頭を撫で、少しだけ腰を進める。
「ん、ふっ…、…ァ…っ…は、ぁ…」
ぎゅっと目を瞑り、言われた通りゆっくり息を吐く。
その瞬間、ズチュ…と音を立てて硬い雄茎が柔らかな胎内に飲み込まれていった。
「…っ!!…そう…いい子だ…そのまま…」
じわじわと腰を奥へ進めながら、まぶたに口付けると、すがるように腕が首に巻きついてきた。
「ぁ、…は、…ンっ…あぁっ…」
直の右側に顔を埋めると、荒い息が耳にかかって体の奥が揺さぶられる。
「なお…っ…」
少し余裕のない声で名前を呼べば、熱い直の胎内は震えて、きゅぅっと締め付けてくる。
「ン、ぁ…あ、ふ…っ…ァ、ぁ、…ッ…」
思っていた以上に、狭く、熱い直の中で、今までに経験したことがないような痺れが全身を襲う。
「…はっ…、っ…」
俺の息が荒くなったのを感じたのか、直が口を開いた。
「…っん、ひさや、さん…っ…きもち…ぃ…の?」
直の息も、痛みとそれとは違う何かであがっている。
「…あぁ…すごく、いいよ」
そう答え、直の瞳を見つめて微笑む。
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