Cloudy Sky

直の体を抱えて寝室に運ぶ。
ベッドの縁に座らせて、自分は床に膝をつく形で向かい合った。

頬や額に口付けながら、性急に服を剥ぎ取っていく。
上着はすんなり脱がせることができた。
ズボンに手をかけて、優しく囁く。

「直、腰上げて」

恥ずかしそうに、ぎゅっと眼を瞑り、言われた通り腰を上げる直。
両手を後ろについて、腰を浮かせる姿に欲情し、下着も同時に脱がせようとする。

「え……待っ…!!」

それに驚いた直が、俺の手を掴んだ。

「ん?」

「ぱ、パンツも…脱ぐの?」

「そうだよ。この前みたいに、汚れたら困るだろう?」

この前、という単語に反応してか、直の頬に朱が走る。
気付かないふりをして、ズボンと下着にかけた手を動かした。

「やっ!!…じ、じゃあ尚哉さんも一緒に、ぬ…脱いで!!」

それがせめてもの抗いだったのだろう。
俺は、少し笑いながらからかうように言った。

「いいよ……直が脱がせてくれるか?」

「え?僕が…?…どうやって?」

人の服を脱がしたことなんかない、とばかりに驚いた声が返ってきた。
冗談だよ、と言いながら上着を脱ぐ。

そして、直の横に座り、何の躊躇いもなくズボンと下着を脱ぎ落とした。

「……直?」

俺の体を見ていた直が、急に我に返ったように顔を背けた。
俺の体に興味を持ってくれたことが素直に嬉しかった。

ベッドにあがり、後ろから抱きしめる。

「脱ぐのが嫌なら、そのままでいい」

耳に舌を這わせると、直の体がびくりと跳ねる。
その反応が可愛くて、首すじや背中にも唇をおとす。

「ぁ……っ、ん…」

息があがって、官能のスイッチが入ったのだろうと分かった。

「なお…」

名前を呼びながら、腰を撫で、後ろから唇が届く所すべてにキスをする。

「ん…ァ…っ…、…あ…」

音をたてて唇が離れるたび、甘い声を漏らして、体を震わせる直。
腰を抱えてベッドにあがるよう促すと、素直にあがってくる。

首にしがみついてくる腕は熱く、燃えているかのようだ。



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