Storm Of Kiss

快感と、恥ずかしさの余り目をつむる。
そのせいで、もっと恥ずかしい思いをすることになった。

視覚を奪われ聴覚が鋭くなって、今まで聞こえてこなかった音が聞こえてきたんだ。

…ぷちゅっ……ちゅ…

尚哉さんの舌と唇が動く、濡れた音。

「ゃっ!!…ン、ぁっ……あっ…っ…」

片方の突起を舌と唇で弄りつつ、手がゆっくりと僕の太股を撫で始めた。

「あっ!!…っ…ン…ぁっ」

尚哉さんの手はパジャマの上から、僕の中心に触れる。
これ以上ないくらい体温が上がって、触れられた場所にその熱が集まる。

「ん、ァ…は…ぁ、あっ…ン…っ」

僕の中心は未熟ながらもかたさを増し、起ちあがっていた。
布越しに優しく握られその手をほんの少し上下に動かされただけで、目の前にチカチカと火花が飛ぶ。

「ァ……ひさ…や、さ…っ…」

初めての快感に、僕の体は限界まできていた。
だから、

「なお」

尚哉さんに優しく名前を呼ばれた瞬間、それを越えてしまった。
熱を解放せずにはいられなかった。

「…ぁっ…ゃ……ふ、ァ…っ…あっ…ァ、あ…っ、ぁ―…っっ!!!」

足の先から、頭のてっぺんまで、痺れるような快感に支配されていく。


体が、熱い。


何も考えることができないから、何が起きているのか分からない。
でも、頭の奥が霞むくらい、気持ちいい…。

「…っ…ぅ、ン」

余韻に体をビクビクと痙攣させて、何が起きたかも分からないまま、僕は意識を手放してしまった。






そのあと、尚哉さんがちょっと困ったことになったのは言うまでもない。
あまり眠れなかったとか、そうじゃなかったとか。
多分眠れなかったんだと思う。

おはようのキスが少しだけ、ぎこちなかった。
僕も恥ずかしくてたまらなかったから、かなり不自然だったとは思うけど。


いつか、できる日が来るのかなぁ…?
ああいうことをした夜の、次の朝。
いつもと変わらない笑顔での、おはようのキス。

だって、おはようのキスは一日の始まりだから。



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