Storm Of Kiss

手は、わき腹やおへそのあたりをゆったりと撫でて、その動きを止めた。
首筋から唇を離した尚哉さんが僕の顔を覗き込んで、呟く。

「直……そんな顔、するなよ。…やめられなくなる」

そう言う尚哉さんの顔は、困った様に笑っていたけれど。
見つめた焦茶の瞳は、真剣に熱を持っていた。

呟く声も、せつなそうにかすれている。


自分では気付けるはずもなかった。
僕の表情が、尚哉さんを激しく欲情させていたなんて。


お互いの顔を近づけて、唇を重ねる。
触れるだけの短いキスをちゅっ、ちゅっと音をたてながら何度も何度も繰り返す。


同時に、尚哉さんの手が再び動き始めた。
止まっていた手が、ゆっくりと上にあがってくる。

胸のあたりをいったり、きたり。

くすぐったいような、不思議な感覚。
そうして何度か優しく撫でたあと、指先が僕の胸の突起に触れた。

「あっ!!…ぅ…んっ…」

言いようもない感覚に口から声が漏れてしまう。
親指で突起を円を描くようになぞられて、体の奥に疼くものの正体を見た気がした。



『快感』




僕は、尚哉さんの指先に快感を覚えたのだ。
それを自覚した途端、気持ちよさが増す。

「あ…ぁっ、は…っ……ん…ァ…」

指が、少し動いただけで声が出てしまう。

「気持ちいい?」

唇から5ミリの距離で囁く声にも体の奥は震える。

「嫌なら…言って、直」

嫌じゃないよ。尚哉さん。
ちゃんと伝えたいのに、声が出ないんだ。
しゃべり方を忘れちゃったみたい。



←[*] 3/5 [#]→
目次へ

MAIN
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -