02
横になった僕の上にソファの背を越えてきた宗ちゃんが跨がる形になる。
珍しく積極的な恋人の行動に驚いて、あたふたしてしまう僕。
そんな僕をからかうように、宗ちゃんは唇の雨を降らせた。
頬や首筋、シャツのボタンを外されて胸元にまで、柔らかい感触は続く。
「っ、は…そー、ちゃん…」
好きな人に、そんな風に積極的にされたら、欲情してしまうのはオスとして当然の事で。
それでも、休日の昼間っからこんな所(リビングのソファ)で何をしているんだ!と理性的な頭も少しは働いてしまう。
僕が体を起こそうと、上半身に力を入れた瞬間。
「動くな。…逃げるなよ、聖」
獲物を捉えた肉食獣のような眼光で、睨まれてしまった。
手で抑えつけられてるわけではないのに、抗うのを許さない、鋭い瞳。
「…ハイ。すみません」
宗ちゃんは僕以上にオスの中のオスでした。
宗ちゃんにされるがままに、ソファの上で戯れて。
気づけば窓から西日が射していた。
「宗ちゃん、休みつぶれちゃったねぇ…」
情事後の余韻もあり、ソファの上でほうっとため息をつく。
ぐしゃぐしゃになった頭を撫でると、髪に絡まった輪ゴムが手に引っかかって痛かった。
「なー…。ま、いいや」
宗ちゃんは満足気に服を着ながら、笑っている。
「でもメシ作るのダルいから、出前でいい?」
「うん。いいよ」
絡まった輪ゴムと格闘しながら、僕は思った。
輪ゴムで、髪を結んではいけない。
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