Congratulations!

片手に余るくらいのサイズの箱を、暁人さんに促されるまま開ける。

「わ…!腕時計!ありがとう暁人さん」

スポーツ仕様の腕時計が品良く収められているのを見て、感激した僕は思わず、暁人さんの頬に感謝のキスをした。

「どういたしまして。高校入学おめでとう」

「ちょ、ちょ!俺もいるんだけど…すみれー」

竜介さんが拗ねたように暁人さんを押しのけたので、僕はその頬にも音をたてて唇を寄せる。

「竜介さん、お祝いのお料理たくさん作ってくれて、ありがとう」

んー、と満足そうに笑う竜介さん。

「ガキか…」

ぼそりと呟いた暁人さんの言葉も気にならないくらい、竜介さんは喜んでいた。





「じゃ、改めて!菫、おめでとう」

「おめでとう」

竜介さんが料理を仕上げて、リビングの大きなテーブルにたくさんのご馳走が並ぶ。

ミモザサラダ、サーモンのフライ、海老クリームのパスタにカニクリームコロッケ、ホタテとベーコンのグラタン、それに目玉焼きののったハンバーグまであった。

「食べきれるかなー!制服きつくなっちゃったら、どうしよう」

フォークを握りしめて、左手には取り皿をスタンバイ。

「大丈夫だって、あとでさっきの続きすれば!」

「食事中に…下品な奴め」

「わあ〜、コレ美味しいよ、竜介さん」



お祝い、という名目で、その日は夜遅くまで三人で竜介さんの部屋で過ごした。



←[*] 4/4    
目次へ

MAIN
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -