pink
あの子の、肌の匂いが好き。
触れ合った所から、互いの熱が溶けて、一つになるのが分かる。
まずは、指先。
スキンシップの、初歩の初歩。
好きすぎて、手も握れない!なんて、ただのバカのすることだ。
想いを伝えたいなら、一刻も早く、手を握れ。
次に、唇。
好意を確かめるのには最適。
柔らかくて、甘いのに。
どこかピリリとスパイスも効いている。
隠し味は、ときめき?
そして、身体の外側。
ここからは本能の赴くままに。
ただし、相手の嗜好もきちんと理解すること。
最後は、身体の内側。
結ばれるのは、最高の瞬間。
自分の輪郭はぼやけるのに、相手の輪郭ははっきりと感じる。
溶ける、とはまさにこのこと。
「…ねぇ、さっきから何ブツブツ言ってるの?」
「うん?何も。ただ、いい匂いだなあ、と思って」
自分の下から聞こえた不満げな声に、ふと我に帰る。
目の前はキレイな肌色一色。
その首筋に鼻をおしつけると、クスクスと笑いがあがった。
「いっぱい、気持ちよくしてあげるからね…」
「っ…、うん」
腰を揺らすと、鼻先から喉の震えが伝わってくる。
「…大好き」
心も、体も溶かして。
一つになって。
では、集中しなきゃなので、これにて失礼。
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