雨の音

窓の外から滴る雫の、音がする。



薄暗い、部屋の中。
乱れたシーツと、素肌に感じる愛しい人の体温。
外は、雨。


こんなに体がだるいのは、雨のせいだろうか。
それとも、昨日の夜の名残のせいか。


隣で彼が身動きするのが分かった。
そして、次の瞬間にはその腕に抱きしめられる。

「おはよ」

「おは、ん…っ」

朝の挨拶を言い終わる前に塞がれる唇。
腕に抱かれて、唇を吸い上げられたまま体を仰向けにされてしまう。

彼の体の重みが、自分の上にある。


耳に響く、窓の向こうの雨の音。
その音を聞きながら、彼の温度と重みを全身で感じる。

「体、ダルい?」

「少し、ね」

彼の声は、優しさを帯びている。
その囁きが、心地いい。

「今日は何もしないでずっとゴロゴロしてよっか」

こつ、と額をくっつけて。
彼の瞳の奥に映る、頷く自分。

そして、頬に唇の雨。
その柔らかさが、心地いい。



常には不快な雨の音。
この腕の中でなら、それすらも。
心地いい。



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