例えば繋いだその手から
二月の風が、彼らの頬を優しく撫でた。
優しいが、その温度は冷たい。
冬に学校の屋上に侵入するなんて間違ってる、と彼らに思わせてしまうくらいに。
「…なぁ」
片方の少年が上向きながら口を開く。
白い色が一瞬、浮かんで。
すぐに、大気に溶けて消えた。
「寒い、な」
「…うん」
もう一人の少年も寒そうに頷く。
「でもね」
その少年は、少し顔を赤らめて。
「こうすれば…ちょっとだけあったかいよね」
彼らの手は、しっかりと重なっていた。
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