その温度が少しだけ欲しくて

手を伸ばせば、その体に触れることはできるのに。


いつからだろう?


隣で眠るあなたとの距離を感じはじめたのは。

寝返りを打てば、触れてしまう程の距離。
微かな吐息さえも、聞こえてしまう程の距離。

ふたりの間に横たわるのはたったそれだけの距離なのに。


どうしてだろう?


その距離が近ければ近い程、遠くに感じてしまう。
だって、あなたが僕に触れようとしないから。


あなたは、知っているんだろうか?
僕がどんな気持ちでいるのか。

好きな人と、一つになりたいと思う事はそんなにいけない事?



もっと、キスして欲しい。
もっと、見つめて欲しい。
もっと、触れて欲しい。



僕がこんなに、欲まみれになったのは、あなたのせい。
だからちゃんと責任、とってよ。

僕に、快楽を教えたのは誰?
他でもない、あなたでしょう?



いい加減なキスをしないで。
そんな風に冷たい目で見ないで。
おざなりな愛撫が欲しいんじゃない。


心のこもった唇が欲しい。
熱っぽい視線が欲しい。
欲にまみれた、体が欲しい。



それが、あなただから。


だから、お願い。
こっちを、向いて。



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