その温度が少しだけ欲しくて
手を伸ばせば、その体に触れることはできるのに。
いつからだろう?
隣で眠るあなたとの距離を感じはじめたのは。
寝返りを打てば、触れてしまう程の距離。
微かな吐息さえも、聞こえてしまう程の距離。
ふたりの間に横たわるのはたったそれだけの距離なのに。
どうしてだろう?
その距離が近ければ近い程、遠くに感じてしまう。
だって、あなたが僕に触れようとしないから。
あなたは、知っているんだろうか?
僕がどんな気持ちでいるのか。
好きな人と、一つになりたいと思う事はそんなにいけない事?
もっと、キスして欲しい。
もっと、見つめて欲しい。
もっと、触れて欲しい。
僕がこんなに、欲まみれになったのは、あなたのせい。
だからちゃんと責任、とってよ。
僕に、快楽を教えたのは誰?
他でもない、あなたでしょう?
いい加減なキスをしないで。
そんな風に冷たい目で見ないで。
おざなりな愛撫が欲しいんじゃない。
心のこもった唇が欲しい。
熱っぽい視線が欲しい。
欲にまみれた、体が欲しい。
それが、あなただから。
だから、お願い。
こっちを、向いて。
←[*] 34/75 [#]→
MAIN