闇宵ロマネスク

キミはボクの心を知ってるのかな?





1ミリ先も見えない、真の暗闇の中。
伸ばした指先は、柔らかい肌の感触を貪る。

乱れるキミの、吐息の音だけ。
ボクを、高めてくれるもの。




「キモチイイ、って言って?」

少し震えてるキミの甘い声に、ボクの総ては魅せられる。

従順に、言われた通りの言葉を口にしてしまう。

「キモチ、イイ…っ、…」




ボクの身体の中に、キミが在る感触。




身体の境界は溶ける。
溶けて、濡れて。




けれど、心は?





愚かなボクは、今日も。
心を、伝えることができない。





1ミリ先も見えない、真の暗闇の中。
ボクの心だけ、キミに見えていればいいのに。



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