MILK

朝食のあと、コップに注いだ白い液体をいっきで飲み干す。

となりに座って新聞を読んでいた恋人が、あきれたように呟いた。

「腹くだしても知らねぇぞ…」

知らねぇぞ、だってさ。
ふふっ。

少し乱暴な口調に、緩んでしまう僕の唇。

「何がおかしい…」

今度はムッとしたように呟く彼。

睨まれたって、全然怖くなんかない。

「何でもないよ」

僕がやっぱり笑いながら言うから。

益々、ムッとした表情の彼。

僕から目をそらし、新聞に視線を戻してしまう。

「…ねぇ」

新聞を持つ腕にそっと僕の手を置いて、耳に直接声をかける。

びっくりする彼にやっぱり笑いが漏れてしまって。


それをごまかすように、
唇を、重ねる。



思いがけない程柔らかな、彼の唇に。



僕は、知ってるもの。

ホントにおなかを壊したりしたら、優しく看病してくれるってこと。

それくらい、僕を思ってくれてるってことも。



    50/75 [#]→

MAIN
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -