MILK TEA

白いマグの中で揺れるあたたかい色を見ていると、しあわせな気持ちになる。

マグを傾けると、くるくるとまわって、いい香りを振り撒いてくれる。


ず〜っと、こうしていたいくらい。


いつも、見つめて、香りを嗅ぐだけで満足してしまうから、飲む頃には少し冷めてしまう。

けど、完全に冷めてしまったら、おいしくないからね。

もったいないけど、飲んじゃうんだ。


あったかくって
甘くって
僕、しあわせ。


いつも、力が抜けちゃうの。


ガチャンっ!!


……ほら、ね?


「こぼれてるよ」

「うん」

「あつくないの?」

「あったかいよ」

「ふぅん」


マグに揺れるあたたかい色で、僕はしあわせ。


そして、この人が隣にいればもっと、しあわせになれる。


あったかいのは、マグの中身が足にかかったせいだけじゃないと思う。



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