WATER
汗ばんだカラダにシャツを引っかけて、下着だけを身につける。
少しだけ寒いけれど、情事後の火照った体を冷ますのにはちょうど良かった。
冷蔵庫からペットボトルを取って、ベッドに腰かける。
透明な液体で喉を潤して、ため息をひとつ。
キャップを開けたままのペットボトルで、枕に顔を埋めている彼の肩を小突いた。
素肌に触れるペットボトルの冷たさに驚いたのか、彼の体がビクリと跳ねる。
「……」
「飲む?」
無言の抗議を看過して、ペットボトルの口を彼の唇に近づけた。
やはり無言で、彼は口を開ける。
体はうつ伏せのまま、顔だけ上げたその口に、ペットボトルの中身を流し入れていく。
こぼれないように、ゆっくりと。
無防備な表情が可愛らしくて。
思わず見とれてしまった。
花が、光を求めるように。
僕のカラダは彼を求める。
彼がいなければ、きっと。
僕は無残にかれてしまうだろう。
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