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察していたのは
それから直ぐに麗華は規則正しい寝息をたてて寝はじめた。
でもあまりにも寝るのが早すぎてその場にいた私と青峰くんと火神くんは顔を見合わせて笑ってしまった。
すると青峰くんはピタ、と笑うのをやめて火神くんに話しかけた。
「つーか、お前なんでいんの?」
「部活ねーから黒子とストバスやろうかと思って」
「じゃあテツくん帰ってくるまで二人で行ってくれば?」
…ホント、あの二人ただのバスケバカ。何か言い合いしながらも楽しそうにバスケやってるし。
二人を表に出すと赤司くんが「いつ来てもいいように。」と私の為に用意してくれた一つの部屋に部屋着を着替えに向かう。まだ何一つとして家具がないこの部屋には泊まりに来たときに置いてあると便利なものなんかがチラホラとある。
「…にしても麗華、あんなになるまで耐えてたのかー」
同じ女の子なので麗華の耐えた痛みはよく分かる。さっき少しだけ麗華から状態を聞けば痛みは朝から続いていたみたいで。薬を飲んで数時間は平気だったらしいけどきれてからはずっとこの有様みたい。
さすがに火神くんにおんぶされてた時はビックリしちゃった。
「ただいまー」
「あ、テツくんにみんなおかえり!火神くんなら青峰くんと外でバスケしてるよっ」
「早いですね。じゃあすぐにボクも準備します」
「さつきただいま」
「さっちゃんただいまー!」
「ただいまっす!」
部屋着に着替え終わり階段を下りるとちょうどジュニアたちとテツくんが帰ってきた。ジュニアたちは速攻走って洗面所へと向かい、テツくんもリビングへと急いで向かった。
…あ、でもリビングで麗華が寝てるの忘れてた!
「みんな、今麗華具合悪くて寝てるから静かにしててね?」
「「「「「「はーい!」」」」」」
ジュニアたちは小さいながらも片手をピン、と伸ばしてちゃんと小声で返事をした。
これも麗華の教育のおかげ?それにしても、こんな風に青峰くんも言うこと聞いてくれればいーのに!もうっ。可愛くないっ!
「…麗華さん、治らなかったんですね。大丈夫でしょうか」
リビングに着いてカバンを下ろしてソファに寝てる麗華を見てテツくんは言った。でもその口ぶりからすると、もしや知ってたー…?
あの他のみんなよりも取り分けこういうことに疎そうなテツくんが知ってた?ウソ、本当?青峰くんは気付かないのは当然だろうけど、火神くんのあの表情からすると何と無くは察してそうな気はしてたけど…
「テツくん、知ってたの?」
「はい。察してしまったのは申し訳ないですが、朝の時点で知ってました」
そう言うと心配そうに麗華を見つめてから青峰くんと火神くんの待つバスケコートに向かっていった。手洗いうがいを終えたジュニアたちもリビングにゾロゾロと入ってきた。
みんな口々に麗華を心配する言葉を漏らしている。
「みんなもお外で遊んでくる?」
「ぼくは麗華といっしょにいる」
「おれも」
「テツナもそうします」
本当にジュニアといいみんなといい、麗華のこと大好きね。こんなに愛されちゃって嫉妬しちゃうよ、もう。
私も麗華の近くに腰を下ろしてジュニアたちと静かに遊ぶことにした。
「…ったく、まじ火神考えらんねえ」
「そう言う青峰くんもズルかったですよ」
「黒子だって最後ムキになってたじゃねーか」
何があったのか知らないけどバスケし終わった三人がざわざわと部屋に戻ってきた。そういえば辺りは既に暗くなってきたようで外にある洗濯物がまだ揺れている。
それに気付いた私は慌てて洗濯物を取り込みに向かう。
「さつきさんおてつだいします」
「ありがと。テツナちゃんはいつもお手伝いを?」
「はい」
それからあっという間にみんな部活から帰ってきた。だけど相変わらず麗華は起きる気配はなくて、未だに気持ち良さそうに眠っている。まあ、痛みに耐えてたんなら仕方ないかな。
帰ってきたミドリンにきーちゃん、それに赤司くんにムッくんも同じくして眠っている麗華を心配した。
「てか、麗華まじどしたんだよ。風邪か?朝から腹おさえてたし、なんかあたったのか?」
「大輝は黙っていろ」
「んー、じゃあオレもよくわかんないから黙っとくねーサクサクサクサクサクサクサク」
「おにいちゃんずるいーおれもぉサクサクサクサク」
「紫原兄弟、菓子がうるさいのだよ」
「おにいはわかるのかー?」
「え?あ、もちろんっスよ。女の子のことならなんでも任せてっス☆」
「何それ、きーちゃん変態!」
「そんなに辛いんですかね…」
「俺ら、男だから一生わかんねえよな」
もうっ。ホントに色々信じらんない!
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