大輝パパの奮闘日記(桜井女体化)

!良くんが女の子♀だよ、青峰と夫婦だよ!


「良!なんか泣き出したぞ!?」

「えぇっ!?光輝くんまで!?コッチで咲ちゃんも泣き出したので光輝くんは大輝さんにお任せします!」

「…って言われてもなあ」

「わーああああ!!ぎゃああああああ!!!」


咲が朝っぱらから泣き出すなんて珍しい、なんてこと思いながらも泣き叫ぶ光輝を目の当たりにして困惑する俺。どーすりゃいーんだよ。こんだけ泣かれたら俺どーすれゃいーかもーわかんねえよ。取り敢えず抱っこしていつも良がするみてーにあやしてやりゃーいーのか?
そう思った俺は目の前でわんわんと泣き叫ぶ息子の光輝を抱き上げてよしよしとあやす。おしっこでもしたのかとオムツの中を確認したけど何も無かったし、ケガしたわけでもない。良が咲の面倒をみていて俺は洗面所で顔を洗ってちょっと目を離した隙に泣き叫び出した。


「光輝ー?まだ眠いのか?それとも俺がいなくなって寂しかった?」

「うぐっ、む、ん…」


俺があやして背中をポンポンしながら光輝に話しかけているとさっきの悲鳴が嘘のようになくなり俺の首にまだ短い腕を一生懸命に回して着ていたTシャツをぎゅ、と掴んで大人しくなった。


「寂しかったのか…そりゃそうだよな?良も咲につきっきりで突然一人ぼっちになっちまったんだもんな」


大人しくなった光輝と一緒に台所に向かって何か飲むものを冷蔵庫から取り出す。咲のことが終わったら良が朝飯を作りはじめてくれるだろうから腹減っても何も口にしない。

光輝用の小さなコップに麦茶を注いで俺から降りて立っている光輝に渡してやるとさっき泣いて喉が乾いていたのか一気に飲み干した。すると咲の支度が終わった良が台所に現れてこれから朝飯の支度をはじめるらしい。お邪魔な俺と光輝はダイニングのソファに座る咲の元に向かった。


「大輝さん、さっき光輝くんが泣いていたのはどうしてだったんですか?」

「たぶん俺が離れて一人ぼっちになったから寂しくなって泣き出したんだと思う」

「光輝くんはまだまだ甘えん坊さんなんですね」

「そうみたいだな。…良に似たんだよ」

「えぇっ!?僕甘えん坊ですか!?」

「ウサギみてーだ」

「ウサギって…」


俺と良は結婚していて、とあるマンションの三階に住んでいる。お互い仕事があるが良は帰りがわりと早いので家事やら何やらを全面的にやってもらっている。帰りが11時を過ぎることもある俺は時間があれば手伝うようにしている。学生時代からの長い付き合いな俺と良はぶつかることもあるけど普段は周りの人から羨ましがられる程仲がいいと言われている円満夫婦だ。
そしてそんな俺たちの間には双子の子供がいる。さっき俺がいなくて泣き出したのが兄貴の光輝。んで良が世話してたのが妹の咲。どっちかっつーと何故か妹で女の咲の方が負けん気が強いというかなんというか、些細なことで泣き叫んだりグズったりしない奴で、逆に兄貴であり男であるはずの光輝の方が寂しがりやで咲にやられて泣き出すこともしばしば。だらしねえなんて思いながらもこれから二人の立場が逆転するかもしれない、なんて良と成長を楽しみにしている。週末は二人とも休みなので家族四人での休暇を存分に楽しんでいる。


「朝ごはんできましたよ」

「うしっ!おら咲!メシだぞメシ」

「めしー」

「ちょっ、大輝さん!咲ちゃんにはご飯って教えてください!咲ちゃん、ごはんだよー」

「ごはんー」

「別にいいじゃねーか。光輝はメシだもんなー?」

「めしー!」


いつもの水色の俺が誕生日にプレゼントしてやったエプロンをつけながらテーブルに朝食を並べる良。咲ちゃんは女の子だから言葉遣いは気をつけてください、だなんて口うるさく俺に言いつけるけど大体そんなの関係ねえ。と横に流す俺を飽きれた顔で見る、といった流れも日常茶飯事だ。
全部並べ終わった良が席についてからいただきますの挨拶をして朝食にありつく。そして本日の朝食での第一声は俺。今日は土曜日で何も予定がないので何をするか、といった内容だ。咲に光輝は食べることに夢中なので反応を示さないが良が一間置いて言った。


「毎週末どこかへ出かけているので今日は近くの公園で遊んであとはお家でのんびりしませんか?」


そう言われてみれば毎週末決まって免許を持つ俺が車を走らせて遊園地やら動物園やらドライブやら…どこかへ出かけている。まあ明日も休みだし今日は公園にするか、ということで本日の予定は、公園とお家でのんびり。になりました。


「熱中症が怖いので一番日が高いお昼前にお家に帰りましょうか」

「そうだな、お前ら帽子したか?」

「「した!」」

「気持ち悪くなったり頭痛くなったら言うんだぞ!」

「「いう!」」


元気のいい約束も聞けたので公園で思い切ってはしゃいでる双子。目の届く場所で走り回ったり虫を見つけて静かに観察したり持ってきたボールを投げて遊んだりしている。
そんな双子から目を離さないようにしながらも木陰で涼んでいる俺に良。今日は風もあるので心地よくて自然と肩の力が抜ける。隣にいる良も今にも眠ってしまいそうだ。


「良、眠いのか」

「え?あ、スミマセンッ!気持ちよくて寝そうになっちゃいました…」

「眠かったら寝てもいいぞ。双子は俺がみてるから」

「そんな、ダメです!昨日大輝さん帰ってきたの11時じゃないですか…寝るなら大輝さんです」

「俺は別に眠くねーよ。」

「大人になって変わったんですね、学生の頃はいつも寝てたのに」

「っるせーよ!w」


学生時代。俺と良は高校が一緒で、部活も選手とマネージャーという立場であったが同じだった。俺の幼馴染のさつきと俺が付き合ってるとかいう良の随分と勝手な誤解の所為でゴタゴタはありながらも何とか高2の夏から部公認で付き合いはじめた。それからお互い進学は違うもののすれ違うことなく卒業し、結婚した。俺と良の間にできたはじめてのガキが双子だと知った時はどうなることかと心配したけど今ではなんとかなってるし、幸せな家庭を築けていると思う。


「大輝さんはお水大丈夫ですか?」

「あー、少しもらうわ」

「大人でも熱中症になるので大輝さんも水分補給はこまめにお願いしますね」

「うぃ」


こういう周りをよく見て指示を出したり体調を気遣うとこ、マネージャーだった時の良と全然かわんねえ。でもあんときは短かった栗色の髪の毛も今じゃ束ねられるまで伸びたしなあ…相変わらずサラサラでフワフワなとこもかわんねえけど。今日は下ろしてる良の髪に手を伸ばす。触れた瞬間は気になって俺の方を向いたけどすぐにまた双子の方に視線を向けると木に寄りかかっている俺の肩に頭をのせてきた。


「ホントお前ウサギみてーだよ」

「じゃあ大輝さんは何でしょうね、熊ですか?」

「は?俺熊じゃねーだろww」

「じゃあナマケモノ」

「お前テキトーだろ、それw」

「あれ、バレました?w」

「うぜーなw」


なんてふざけたやりとりをしていると向こうにいる双子に話しかける男が見えた。俺と良はその男の格好を見るなり慌てて立ち上がりガキ共まで早足で近づく。その男は夏だというのにマスクをしていてサングラスをかけてキャップを被ってはいるがはみ出ている髪の毛は金で、耳にピアスをしていた。だけど双子は怯える様子を見せず笑顔で話している。

傍まで来ると咲も光輝も俺らに気が付いたらしく手を振って楽しそうにしている。こいつら人見知りとかねーのか、なんて思っていると目の前にいた男から聞き覚えのある呼び名が聞こえた。


「やっぱり青峰っちいたんスね!」


その男はマスクを下にずらしてサングラスを外した。これで奴が誰だか確認できた。

…黄瀬だ。


「咲っち、光輝っちいいい!それに良っちも!なんスか、なんスかー!?家族四人でラブラブ公園デートっスか!?」


わけわかんないこと大声で言い散らかしながら咲と光輝の頭を散々撫で回した挙句、俺の隣で黄瀬だと分かった途端緊張が解れてホッとした顔で立っていた良にまで手が伸びたので俺はすかさずそれを阻止した。


「てめ、良にまで触んなよ」

「いってー…相変わらず君たちのお父さんとお母さんはラブラブだねえ」

「「らぶらぶ?」」

「ちょっと黄瀬さんっ、変なこと言わないで下さい…お父さんとお母さんは仲良し、だよね?」

「「なかよしー!!」」


そう言われて満足気な良に、何故か不満気な黄瀬。別に俺はラブラブってことくらい教えてやってもいいと思うけどどうやら良は許さないらしい。



「…で、なんで家にまでちゃっかりあがってんだよ」

「だって良っちがいいって言ったんスもん!そ、れ、に!咲っちと光輝っちと遊びたかったんスよー!うりゃっ」

「きゃあー!きせー!」

「きせきせー!わあー!」


公園で暫く黄瀬と話していると約束のお昼前になったので家に帰ることにした。するとこの後何の予定もないと言い出した黄瀬を良がそれならお家にどうぞ、と何の躊躇いもなくあげたのでコイツまで一緒に昼飯を食うことになった。だけど双子は黄瀬のこと大好きみたいでかなり懐いてるからそれはそれでいい。

昼飯を食べ終わると双子はまだまだ元気で黄瀬に遊べ遊べとせがんでいる。まあ黄瀬も仕事終わりだし良も俺もやめろ、と言ったが黄瀬本人が「俺もまだまだ若い!だから子供と遊ぶくらいの体力あるっスよ!」と言って遊んでいる。


「咲に光輝は黄瀬さんのこと大好きですよね」

「特にいつもは絶対に譲らない咲が黄瀬には甘いからな」

「そうですね。あ、黄瀬さん!冷たいコーヒーでも飲みますか?」

「飲むっスー!わ、光輝っちどうしたんスか!?」

「うぅ…むー!ぱぱあ!!」


良に返事をした黄瀬が突然目をこすって唸り出した光輝に驚いていると光輝は俺の名前を呼んでこちらに走って椅子に座っていた俺の足にしがみついてきた。

少し体温上がってるし、目が半分しかあいていないのを見るともう昼寝の時間なのだろう。足にしがみついたままの光輝を抱き上げる。


「ったく…良、コイツ寝かしてくる。咲、お前は眠くないのか?」

「さきねむくない!」

「咲ちゃーん、さっきいっぱい遊んだから今のうち寝ておきなさーい」

「やーや!きせといっと!」


また咲のやだやだが始まった。昼寝のことならいつもすぐに言うこと聞くのに…今回は黄瀬がいるから興奮しているんだろう。黄瀬の袖を掴んで離さない。


「じゃあ俺光輝くんと昼寝してこよっかなー、咲ちゃんも俺と一緒に昼寝する?」

「きせがいるなら…する」

「よーし!じゃあベッドにGOっスよ!」


と言うと黄瀬は軽々と慣れたように咲を抱き上げ俺と一緒に寝室に向かい咲と光輝を寝かせた。

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