「っ〜〜〜〜〜〜」

「だ、大丈夫?」


うずくまるあたしと。オロオロとする長太郎。


「だい、じょうぶっ……て、言いたいけど…!」


ムリィィ………!と唸り更に丸まる。
そんなあたしを見て更にオロオロと慌てる長太郎。
うーむ、ここまで大騒ぎする弟を見るのはいつぶりだろうか。
なんて、内心冷静に現状理解。


「えっと、確か体は温めた方がいいんだよね…あー……あ、ゆたんぽ!」

「あっ、大丈夫だから…って、もういないし」


行動早いねー、さすがテニス部。脚力も伊達じゃないってか。

家の弟は意外とそそっかしい。
非常時にはよくオロオロとするし、思い立ったら即行動で考えなしなこともする。
学校じゃそうでもないみたいだけど、亮くんあたりに何かあれば取り乱すのだろう。

あたしはただ今女の永遠の悩み、生理痛にやられていた。


「重い…重いよ、今回」


おなかちょういたい。ひどい。
痛すぎて吐き気を模様すレベルだ。

日曜の朝、お腹が痛くてリビングに行くのもままならなかったところを弟の長太郎が発見し、助けてくれた。
あたしを部屋に戻し、食事を持ってきてくれ、暖房を入れ、背中をさすってじっとあたしの様子を伺っていた。

家の弟は忠犬ハチ公もビックリな忠犬ぶりをフルに発揮していた。お腹痛いと小さく呟けば毛布を増やし、また呟けばカイロを持って来、また呟けば今度はゆたんぽ。
大丈夫?の言葉は止むことを知らない。


「姉さん…大丈夫?痛い?」

「んー…さっきよりはマシ。薬も効いてきたし。ゆたんぽ、あったかいよ」

「よかった…他に何か、いる?何でも用意するけど…」

「大丈夫大丈夫。心配性だねー長太郎は」

「姉さんに何かあれば、そりゃあ心配するよ。それにこれは男の俺には一生わからないことだし…少しは楽にしてあげたいと思うよ」

「うん…ありがとう」


その気持ちと、暖かな手さえあれば本当に楽になるんだよ。
ホント、家の弟はいい子だよ。



家の弟クン。



早くこの痛みともおさらばして弟を安心させてあげたいね。
いつも心配かけっぱなしの、姉としては…ね。

ありがとう、いつもいつもありがとう。



END
2012.02.04


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