「ねえ、侑士」

「ん?」

「なんで侑士は外部活なのにそんなに肌が白いの」

「………は?」


昼休み、お昼ご飯。
彼氏の侑士と私の机で一緒に時間を過ごすのが当たり前になっていた。

そんないつもと変わらないお昼休みに、私は侑士に最近思う質問を投げ掛けた。
“外部活なのに何故日焼けが酷くないのか”


「ねえ、なんで?」

「なんでって…これでも焼けてるほうやと思うけど?」

「全然じゃん!私の肌見てそんなこと言ってんの!?」

「ちょ、落ち着きぃや名前」


バンッ、と机を叩いて侑士に講義する私。


「私だって女テニで外部活なのに!侑士のほうが焼けてないっ!」


そう、私も外部活なのだ。侑士と同じくテニス部。
同じ時間、それかそれ以上侑士は外で練習してる。それなのに…。


「ちゃんと日焼け止め塗ったりケアはちゃんとしてるのに…」

「言われるまであんま気にしたことなかったんやけど、もしかしたらあんま焼けない体質なんかも」

「ズルイ!」

「ズルイ言われてもなぁ…」


私の抗議を聞いて苦笑いをする侑士。


「彼氏より彼女のほうが肌黒いって…嫌でしょ……」

「名前………」


私が一番気にしていた理由はこれだ。
彼女のほうが肌が黒い、なんて…周りから見たら、アレッて思うじゃん。

それに………侑士、足フェチだし。綺麗な肌がいい。


「名前」

「………」

「別に俺は気にしてへんけど?」

「侑士が気にしなくても、私が気にする…」

「恥ずかしい?」


優しく問いかけてくる侑士。私は素直に頷いた。


「別に恥ずかしがることと違うで。俺はなんも気にせんし」

「………」

「それでも名前が気にするんやったら俺も肌黒なるわ」

「えっ」

「別に見た目とかこだわってへんし」

「侑士…」

「俺は、名前の中身に惚れ込んだんや」


見た目<中身


「名前が隣にいてくれれば十分や」


………私、なんて馬鹿なことでうじうじしてたんだろ。



END
2011.08.16


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