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まだ知られない恋


※設定改造含。

ダンデと一緒にチャンピオンを目指すため、一緒に旅をしながら修行を続けていた。
キバ湖の湖近くで今夜は休むことになった。

「ダンデ、私料理のきのみ探してくるね!」

「ひとりで大丈夫なのか?俺が採ってくるぞ?」

「大丈夫だって!いつもダンデに頼りっぱなしだし、今日ぐらいはやらせてよ。それにここ辺りならどこに木があるか知ってるし」

ああ、気を付けろよとダンデはナマエを見送った。
本当はこの旅でソニアたちも一緒に来るはずだったのに。ソニアは研究のほうの手伝いで参加出来ず、キバナはライバルと同じ空間で仲良くやるつもりはないらしい。

「リザードンたちにもいっぱい食べてほしいし、いくつか巡ろうかな〜」

もうすぐ日没する時間帯、呑気にそんなことを考えてきのみを採取していた。

ガサッ

「!?な、なに…?ポケモン?」

今手持ちに何匹か居るが、取り敢えず何のポケモンか出てくるのを待った。
しかし、それはポケモンではなかった。

「ふぅ、足場が悪い草むらから脱出…て、ナマエ?何でここに居んだ?」

一緒に行動していなかったキバナがそこに居た。ナマエもびっくりして持っていたきのみを全て落としてしまう。

「キ、キバナこそ何でここに!?」

「俺様はあっちにテント張ってんの。ナマエこそ、その…アイツとまだ居るのかよ。」

アイツとはダンデのことだろう。一緒に行動することを彼にも話した時は最初反対された。ひとりで旅をするより安全なのと、何より昔馴染みの人と一緒だと安心するからだ。なのに彼だけは不機嫌になった。ライバルになるのに何故一緒に行動しなければならないのかと言う彼の気持ちも分かる。しかし何とか説明をして最後には勝手にすればいいと言われた時はとても心が沈んだのを憶えている。

「ダンデも一緒だよ。キバナも今夜は一緒にカレー作って食べようよ!話したいこともいっぱいあるし!あ、きのみきのみ」

いそいそと落としてしまったきのみを拾う。キバナも近づいて拾ってくれた。

「…悪いが俺様は遠慮しておく、じゃあな」

「ま、待って!!」

きのみをナマエに渡して去って行こうとするキバナに手を伸ばすことも出来ず、つい大声で呼び止めてしまった。運良く近場に野生のポケモンは居なかったようだ。

「俺様、オマエらライバルと和気あいあいとしたくないんだけど」

「キバナ、変だよ、旅に出る前はあんなに仲良かったじゃない!あの時もそうだったけど、…キバナは、私とダンデが一緒に居るのが不満なの?」

「っ…!!分かってんなら、何で一緒に行ったんだよ!俺様は、俺は……本当は」

キバナは拳を握りしめ、下を俯いた。
ナマエはきのみをかばんに詰めて彼のもとへと近づく。そして、彼の手をそっと握り、微笑んだ。その笑顔と久しぶりに彼女に触れられた手から気がおかしくなりそうだ。

「キバナ、ごめんね、本当はダンデと一緒に冒険…したかったんだよね?」

「………はぁ????!?」

何故そう思ったとキバナは顔を歪ませた。この女は昔から変わらない、何も分かっちゃいない。そうキバナは心の中で叫んだ。

「いや、今のでどうしてそうなる」

「え?だってダンデとキバナよくいろんなところに探検してたし、今回の旅でも本当は一緒が良かったのかなって。だから私が邪魔だったのかなと…え?違う?」

「ハァ〜〜〜ッ」

深いため息しか出ない。確かに昔はダンデとよくいろんなポケモンを見つけに親たちに叱られながらもこっそり色々なところへ冒険したことはある。だが、今回はそういうのではない。

「……送ってく…」

「え?ねえ、キバナ?」

「もういい!」

ポケモンバトルで負けた時と同じように彼はスンッとヘソを曲げた。




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