どうしたってどうしようもないのが自分達二人だった。久方ぶりにぐるぐる鳴るお腹を押さえながら思い出すのは、大して幸せなわけではなかったが幸福だったはずの日である。トイレにこもって30分。僕が奴の事を思い出してから18分。奴の下手物料理を食べさせられた翌日、トイレにこもらなかった日はないと言っても過言ではない。奇しくも奴が唯一まともにできたのは僕の好きだった目玉焼きだけだった。どうしてかな、また食べたいなんて思ってしまう、ほとんど下手物と変わりないのに。
title:曖昧に哀す
イメージはあるけど秘密です