アリアを私に




「セックスしたい」
彼がこんなふうに露骨に言葉を使うときは、大抵かなり苛々している時だ。頬に手をあて唇を重ねると、回された手で引き寄せられてベッドへダイブした。微かに鼻をくすぐる香りはミントだった。
向こうから舌を入れてきた事は予想外で目を開いた。飛び込み、沈んでいくベッドに同情を覚える。いつもはこんなことしない、彼は相当焦っているのではないだろうか。

「半田ってば、どうしたの」
至近距離で目を合わせあえば彼の瞳に張る膜に気づく。それは生理的なものなのか、それとも溢れた感情の一端なのか。愛してる、なんて安い言葉は、今は吐けない。
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