※あんまり内容がないよう







バケツをひっくり返したような雨が降り続いている。教室の窓からそれを見つめていた。何をしているわけでもない。青く青い、瞳をさらう風が吹き、振り返るとディランがいたのだった。
「…ディラン」
「やあ!」
「俺もいるよ」
「マーク」
声のした方を見ると、教室の扉から顔を覗かせたマークと目が合った。碧の瞳が薄くしばたかれた。
「窓、閉めたらどうだ?」
「え…ああ」
マークに言われてゆっくりと窓を閉めた。瞬く間にガラスは打ち付けられた雨で洗われる。えぐるように、押し込まれるように。
「びしょ濡れじゃないか」
言葉と共にタオルが頭に放られた。
「雨は嫌いだ」
「そうか?」
「ミーは嫌いだよ!」
ぼう、としているとディランにタオルで頭をわさわさと、された。
「ちょっとディランやめろよ」
「濡れたままだと風邪ひくよ?塔子」
ミーが拭いてあげるよー、なんて言いながらディランは手を動かし続ける。タオルの匂いか近づいたディランの匂いか、鼻につんときて泣きそうになった。

「明日は晴れるよ」
「マーク」
「塔子、明日晴れたらサッカーしようね!」
「ああ!」
ぐるぐると回る、思考は飴色だ。



:胸に沈む雨
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