囀る



イタリア語なんて一生理解出来ないかもしれない。なんて、きっとちゃんと練習すれば出来るようになるような気もするけれど。
「塔子」
そういえばこの少年はあっという間に日本語を覚えてしまった。
まあ、私の名前限定で、だけれど。それはある意味では嬉しい。だって使っている言葉も習慣も文化と違う人間に自分の名を呼んでもらえるのだ。しかし。
「塔子ーとうこー」
「うるっさい!」
さっきからこの少年は私の名前しか呼ばないのだ。
「他に喋ることないの?」
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テーマ「人外ファンタジー」
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