愛は三分間




プラスチックの容器にお湯を注ぐ俺の後ろで、松野は椅子に座って恐ろしく眠そうにしている。気づかれないようにそちらを一瞥してからタイマーをかける。こっちが眠くなりそうだった。
蓋を見る。三分だ。
「松野、後三分で昼飯できるぞ」
言えば彼は目を擦って椅子から立った。
「なんで立ったんだ?」
「座ってたら寝ちゃうから」
ふらふらっと台所に立つ俺の方まで来て隣に立つ。立つ…というかもたれ掛かってきた。
「半田ー」
立っているくせにそのまま寝てしまいそうな松野は、絶滅危惧種の動物みたいだった。すこし可愛かった。
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テーマ「人外ファンタジー」
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