沈めや崩壊



マークは胸で燻る思いを何と形容していいか分からなかった。
考えたって分からないことを、考え続けるのは辛い。答えがあればと望みあるはずだと信じることはどうしようもなく辛かった。誰かが教えてくれないものかと何度か思ったが、都合よくそんなわけにはいかないのが現実である。
言うなればあのイタリアの旧友のように。何か一つでも心酔出来る、してしまう存在が有れば良かったのか。彼にとってのサッカーか、あるいはMr.Kか、もしくはあの少女か。自分はサッカーに心酔することは出来ない、とマークは少し思った。サッカーが大切でないというわけではないが、自分にとってのサッカーはそんなものじゃなかった。しかしならば何に心酔するか、と聞かれれば答えには困ってしまった。まだそんなものは見つけられていない。
なぜって、俺はまだ14年しか生ていないから。心酔するものなんてまだないし、必要もないだろう。これからそんなものに出会えるのかさえ定かではないが。
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